二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 東方 『神身伝』 ( No.22 )
- 日時: 2010/05/10 11:36
- 名前: お⑨ (ID: Gx2AelYh)
第三章 続2
着いていくと、そには家があっり、その縁側には湯飲みと急須がお盆に置かれていた。
どうやら、ここでお茶を飲んでいた最中らしい。
でも、何時後ろに回りこまれたんだ?
そんな素朴な疑問が浮かんだ時に女の子が声をかけてくる。
「さあ、上がって。」
「あ。はい、どうもお邪魔します。」
軽く会釈をして、靴をぬごうとするが、病室からそのまま出てきた冬馬は裸足のままだった。
床が汚れるのを申し訳なく思い、その場で足を叩き、擦る様にして出来るだけ汚れを落とす。
その様子をみた少女は、クスクスと可愛らしく笑いながら「別に良いのに。」と言ってくれた。
逆にそう言われると気を使いたく成ってしまう。
そうして、部屋に入ると、卓袱台の所にある座布団に案内され腰掛ける。
その正面に少女は座り、小さく息をすると、凛とした表情で冬馬を見つめる。
「では自己紹介から。
私は博麗 霊夢。この博麗神社の巫女をしているの、貴方は?」
「僕は、水上冬馬と言います、先程も言ったとおり、気が付いたら森に居て、そこから此処が見えたので、ここに来ました。」
お互い、簡単に自己紹介をすませると、早速本題に入ってきた。
「早速話を聞かせてもらうわね。
気が着いたら森に居たと言っていたけど、その前に何か変な事は無かったかしら?」
冬馬は思い当たることが多すぎて、何から話して言いか迷ったが。
冷静になり、信じてもらえるかどうか解らないが、狼と出会ってからの事を全て少女に話した。
霊夢と名乗ったその少女は、話を全て聞き終えた後、再び黙り込んで何かを考え始める。
暫くの沈黙の後に、再び口を開く。
「狼の事は解らないけど、恐らく貴方を此処に連れて来たのは『八雲紫』と呼ばれる妖怪よ。」
「よ、妖怪・・・ですか。」
迷い無く少女の口から出てきた『妖怪』と言う言葉に、驚き思わず繰り返す。
「ええ、そして此処は貴方達の世界から隔離された世界『幻想郷』と呼ばれる世界。」
更に少女の口からは、信じられない事が出て来る。
妖怪に、隔離された世界・・・・・・俄かには信じられないことだ。
でも、紫と呼ばれる女性の不思議な力。
そして彼女の言った『貴方の存在できる世界に連れて行って差し上げますわ』の言葉。
霊夢の言葉通りなら、その力とその言葉に説明を付けられる。
ここがその存在できる世界なのか・・・・・・。
冬馬は自然と考え込んでしまう。
「紫が言っていた、『貴方が存在できる世界』と言うのは間違いが無いかもしれないわね。」
そういって、霊夢は立ち上がると、縁側まで歩いていき、冬馬に振り返る。
「見ていて。」
そういうと、霊夢は信じられないことにその場に浮いて見せたのだ。
紫と呼ばれた女性も、何事も無いかのように空中に浮いていたが、そんなものはアニメや漫画の世界だけの話だと思っていた。