二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 東方 『神身伝』 ( No.23 )
日時: 2010/05/10 11:37
名前: お⑨ (ID: Gx2AelYh)

第三章  続3

幻想郷はね、妖怪や神様に妖精、他にも数多くの人外が共存する世界なの、勿論その中に人間も含まれているわ。
そして、私は正真正銘の人間よ。」

本当に信じられない事だらけだ、しかし、現に目の前で見せ付けられると信じる他に道は無い。

「さらには。」

霊夢は続けて言うと、袖の中から一枚の紙の札を取り出し、徐にそれをカードでも投げる様にして庭先に投げる。
投げ出された札は、それが紙で出来た物とは思えないほどの速さで飛び、そして。

パン

クラッカーでも鳴らしたような音共に煙を上げて、小規模な爆発を起こした。

「これは弾幕といって、この世界で力有る者が生きていくのに、最低限身に付けていなければならないものよ。」

再び目の当たりにした、不可思議に、呆気に取られていた冬馬だが、霊夢の言葉に我に返る。

「そ、そんな事できなよ俺。」

「でしょうね。」

霊夢は、解りきっていたかのように即答し、再び冬馬の反対側に座る。

「っで、貴方の力はどう言った物なのかしら?」

不意に投げかけられた意味不明の質問に、クエスチョンマーク全開の顔で答える。

「だから、さっき自分でも言ってたじゃない、その力、見せてよ。」

そう、紫という名の妖怪に有ってから自覚した、人並み外れた身体能力。
それを見せてみろと言われているのだ。

「解った。」 

そう言って、部屋から庭に、ノーモーションで勢い良く飛び出す。

「ほ〜、既にその時点で凄いわね。」 そんな霊夢の言葉を無視して、屈伸等をして身体をほぐす。

霊夢も良く見えるように縁側まで出てくる。

「じゃあ、行くよ。」

言葉と共に、力いっぱい地面を蹴り、真上に飛ぶ。
目にも止まらぬ速さでグングンと上昇していく。

「ほえー、良く飛ぶわねー。」

霊夢は感心するように言うと、太陽の光を手で遮るようにして上を見上げ、冬馬の行く先を見つめる。