二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【3z】 刹那恋鎖。 アンケ実施中 ( No.123 )
- 日時: 2010/05/16 20:41
- 名前: 牙暁 ◆NIJKkC7BnA (ID: 3r6DhwLS)
【wonderland】(後編)
——————どんだけ遠いんだ。
さっきから土方君は歩いていましたが、一向に帽子屋に着きません。
其れらしい屋敷が見えたのは、もうだいぶ前。
其れからずっと歩いているのですが、未だに屋根の部分しか見えていません。
(クソ、こうなったら意地でも辿り着いてやる)
土方君は、そう心に誓ったのでした。
(やっと、やっと着いた……)
其れから大分経って、やっと土方君は帽子屋屋敷に辿り着きました。
其処は、とても大きなお屋敷でした。
大きな門を通り抜けて、広い庭を見渡すと人影が見えました。
「あいつだな……!!」
土方君がずんずん人影に向かって歩いて行きます。
近付くにつれて、其の人物に見覚えがあるのが判ります。
彼等の元に歩いて行くと、
「いらっしゃい、お譲さん。さあ、紅茶を飲むといい」
『お茶菓子もありますよ』
「お前…!! 桂!!」
其処にも土方君の良く知った人が居ました。
しかし、又もや別人のようです。
1人は長髪で変な帽子を被っていて、もう1人(?)は真っ白の身体で頭にウサギの耳が生えています。
「はっはっは。桂とは何の事だお譲さん。
さあ、早く席に着くといい」
『ワインもありますよ』
「おい、桂てめ「さあ、おあがりなさい!」
土方君の言う事を聞かずに、帽子屋はカップに紅茶を注ぎ始めました。
此処の住人は、人の話を全く聴こうとはしません。
「おい、お『さあ、お茶菓子をどうぞ』
相変わらず2人は勝手に話を進めていきます。
土方君がふと思った事が、薄く開いた口から零れました。
「・・・いかれてやがる」
「そうだ。帽子屋と……」
『三月ウサギですからね』
こういう所だけは真面目に対応です。
『城の裁判を見に行ってみるといいですよ』
「……もう誰の言葉にも従わねぇぞ」
そう冷たく言捨ててそっぽ向く土方君。
そんな彼にお構いなしに帽子屋は言います。
「なんだ、そんな事も出来ないのか?」
と、帽子屋も冷たく言い捨てました。
もう色んな事が起り過ぎて起る気もありません。
しかし、土方君は馬鹿にされたような気持ちになり、
城を目指して歩き出しました。
—————そして、土方君が城に着くと、
「え〜、此れより裁判を始める。」
「…せ、先生?」
其処には又もや土方君の良く知る人物がいました。
が、やはり違う人のようです。
土方君も流石に慣れてきたようです。
「あん? 誰だお前? 此の王に逆らうのか?」
「ホントにどうなってやがるんだ……」
どうやら其の人は此の城の王のようでした。
もう何がなんだか判りません。
「いや、俺ホントは王なんてやなんだよなー」
しかし、裁判の途中だったようで王の事は無視して続けています。
「え〜、其れでは罪人、前へ」
王がそう言うと、またもや土方君が良く知っている人が出てきました。
地味で地味な青年Aです。
「はい……」
「!? 山崎お前こんな所で何してやがる!?」
しかし、罪人は土方君の言葉に耳を傾ける様子はありません。
ずっと下を向いています。
「此の罪人の罪は?」
王がチャイナ服を着た白いウサギ耳の女の子に問いかけました。
彼女も又、知っています。
「こいつ、王様のパフェを盗んだアル!!」
「そうか。そんじゃ斬首だな」
「そ、そんな、俺何も盗んでませんよ!!」
罪人が必死に抵抗しても王様は聞く耳を持ちません。
すると、王の横に居た眼鏡の地味な青年Bは、声を上げました。
「ちょっと王様! 其れ位で斬首なんて…」
と、土方君がもっとも言いたかった事を言ってくれましたが、
「其れならお前が斬首なるアルか。ダメガネ」
と、チャイナ服で白いウサギ耳の女の子が言うと黙ってしまいました。
そんな彼等を見た王は小さく溜め息を吐きます。
「あ〜。もう面倒臭いからとっとと首切っちまおうぜ。俺早く帰ってジャ●プ読みたいんだよ」
そう王様がいって指をパチンと鳴らすと、何処からともなくギロチンが現れました。
流石にギロチンで彼の首が落ちるのを黙って見ていられる筈はありません。
土方君は女王の前に出ていきました。
「オイ先生。てめぇ何て事してやがるんだ……」
土方君は低い声で問い出さそうとしましたが、
「あ? だってこいつが俺のパフェ盗んだからよ。
あ、止めるんならお前がかわりに首切るか?こっちは早く終わらせて—んだよ」
王は何と事のないように言います。
そして、溜め息を一つ吐くと、続けて言いました。
「あー。もう面倒臭いから俺帰るわ。後は何とかしといてくれ」
そう王様が言うと、トランプ柄の服を着た土方君の良く知る人達が何処からともなく現れます。
そして、土方君の周りを囲んで襲いかかってきました。
「やめやがれ!! クソ、どうなってやがるんだ──────!!」
───
「って話をさっき考えたんですけど、如何ですか?」
「雅焔、てめぇ…………」
「テスト勉強しやがれ───────!!!!」
其の日の土方君の声は、何処までも響いていました。
そして、雅焔ちゃんは其の本で人儲けしたとか、しなかったとか。
end...