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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【3z】 刹那恋鎖。 一時帰還です! ( No.143 )
- 日時: 2010/05/18 20:44
- 名前: 牙暁 ◆NIJKkC7BnA (ID: 3r6DhwLS)
【Thank you】
僕が風呂から上がって来て、親に言われた一言で、僕の運命が大きく動き出した───
「………え?」
あまりの言葉に訊き返す。
嘘で有って欲しかった。
しかし、神様は僕に優しくはなかった。
「だから、アメリカに行くのよ」
僕はある日突然、日本を出て行く事になった。
本当に、唐突だった。
キーンコーンカーンコーン………
6時間目、終わりのチャイムが鳴った。
此の学校とも、おさらばだ。
「雅焔! 元気でね!」
「毎日メール送るから」
「絶 対 又 逢 お う な」
友達の別れの言葉に、ポロリと涙が零れ落ちる。
泣いちゃいけない、と思いながらも蛇口を捻った様に涙は出てきた。
此処では、想い出が多過ぎた。
短い間だったけど、皆と過ごしてきた時間は、とても長い。
「雅焔、今度は嘘じゃねーよな」
先生が、僕の大好きな先生が、隣に居る。
僕は何度も、頷いた。
嘘なら、良いのに。
「もっと皆と一緒に居たかった」
「おう」
「皆と一緒に、卒業したかった」
「おう」
「先生と、もっと一緒に居たいよ」
「其れは、俺もだ」
先生が、泣きじゃくる僕を優しく抱きしめてくれる。
ずっとこうして居たい。
「ぜってー、帰って来いよ。俺は此処に居るからよ」
「本当?」
「おう。あったりめーだ」
僕は先生から離れて、涙を拭いた。
そして、笑顔でこう言った。
「約束だよ」
僕はアメリカに行ってしまうけれど
此処には沢山の、僕の宝物がある。
僕は皆とさよならだけど
必ず、戻ってくるから。
僕 は 今 日 転 校 し ま す
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