PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【3z】 刹那恋鎖。 ( No.27 )
- 日時: 2010/05/09 18:12
- 名前: 牙暁 ◆NIJKkC7BnA (ID: 3r6DhwLS)
【恋色book】(後編)
家に帰った総悟は、早速ルイに借りたノ—トを開いた。
綺麗に整ったルイの字が目に映る。
本当は、宿題なんかしない。
只、君と喋りたかったんだ。
不器用な俺は素直に君と話す事が出来ない。
だからこうして何かと理由を作ってはルイに話かけていた。
ノ—トに手を添え、ゆっくりとなぞりながら文字を追っていく。
「相変わらず真面目でさァ」
落書き一つ無いノ—トを眺める。
そして最後の行になった。
しかし、其処に有った一行は、宿題に全く関係ない文字。
………。
前言撤回。
「やっぱり真面目じゃねェや」
総悟は其の一行の下に又自分で一行書き足し、ノ—トを閉じた。
其の唇はゆるりと弧を描いていた。
次の日、総悟からノ—トを返された。
「有難う御座いやした」
只其れだけ言って総悟は、私の前から消えていった。
そんな総悟の、何時ものと変わらない態度にルイは思った。
(ノート。見てないんだ…)
少しガッカリしつつも、提出する前に自分の書いた一文を消そうとノ—トを開いた。
昨日自分が書き足した一行に、消しゴムをかけ様として、目を見開く。
其処に有ったのは、自分の文字ではなかった。
勿論、昨日ルイが書いた一行はちゃんと残ってる。
其の一行の下にもう一行付け足されてたのだ。
少し乱雑な四角い文字で、其処にはこう書かれていた。
『俺も───「ルイの事が好きだったんでィ」
急に耳元で声が聞こえ、バッと振り向く。
其処には、普段考えられない様な、顔を真っ赤にした総悟がいた。
まあ、私の顔も総悟に負けずに赤いが。
私が書いた、『ずっと好きでした』の一行。
其の言葉に君は魔法をかけてくれたんだ。
不 器 用 な 二 人 の 甘 い 甘 い 青 春 ノ — ト
end...
PR