二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【3z】 刹那恋鎖。 ( No.44 )
日時: 2010/05/09 22:43
名前: 牙暁 ◆NIJKkC7BnA (ID: 3r6DhwLS)

 【深夜のkiss】(前編)

午前2時。

私は1人、公園のベンチに座っている。
昼間は子供たちで賑わっている此の公園も、流石に此の時間には静まり返っている。

私は今、此の場所である男を待っているのだ。

高杉晋助
私の彼氏…の筈。

私達はちょうど一年前に付き合いはじめた。

だけど、最近晋助の様子がおかしいのだ。

電話をかけても、何時も留守電。
「高杉です。今、電話に出れません。ご用の方は…」というフレーズをもう何回聞いただろうか。

話しかけても、何処か上の空。
「ん─」とか「お─」とかばっかり。

基本楽観的な私でも、流石に不安になってくる。

私の事、嫌いになったんだろうか?
誰か他に好きな子でも出来たんだろうか?

思い返せば、此の恋は最初から私の一方通行だった気がする。
好きになったのも私の方。告白したのも私の方。
キスをするのも私から。

私は晋助が大好きだ。
晋助の笑う顔が見れないのは、辛い。

だから私は晋助に賭けたのだ。
『○×公園に来て 杏奈』とだけ打ちこんだメールを送って。

もしも晋助が来てくれたら、此れからも一緒に居る。
もしも来なかったら、此処で凍死してやる。

そして3Zの皆に責め立てられるがいい。
こんな時間に非常識だなんて分かってる。
我が儘だって事も分かってる。

私の事、好きじゃなくなったのなら、私に飽きたのなら、はっきりとそう言って。
お互いに隠し事はなしね!って付き合いはじめた頃に決めたじゃない。

「あ─もう、晋助の馬鹿、ハゲ、チビ!!」
「誰が馬鹿だ、因みにハゲてもね─し、チビでもねェよ」
「いや、チビは当たってるでしょ…って晋助ェェェ!?」

目の前には息の上がってる晋助の姿。

「真夜中にうるせ─よ。近所迷惑だろ─が。
つか自分で呼び出しといて其の反応はね─だろ」

「……で、こんな時間に何の様だ? 真逆怖い夢見て寝れなくなったとか言うんじゃね−だろうな」

晋助…私が怖い夢見たからって、こんな所に呼び出すと思ってるの? 餓鬼じゃないんだから…。

晋助が私の横に座った。
今だ、言わなくちゃ。

「実はね…」


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