二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【3z】 刹那恋鎖。 ( No.45 )
日時: 2010/05/09 22:44
名前: 牙暁 ◆NIJKkC7BnA (ID: 3r6DhwLS)

 【深夜のkiss】(後編)

「実はね…」

私は晋助に話始めた。
最近晋助と連絡がとれなくて淋しかった事
晋助が本当に私の事を好きなのか不安になる事。

ポツリポツリと話す内に、何だか判らないけど涙が出てきた。
やだ、何で泣いてるの、私?

真夜中の公園に響く私の泣き声。
そんな私の背中を、晋助はまるで赤ちゃんをあやす様に、優しくさする。

「杏奈、そんな馬鹿みたいな事考えてたのか」
「ばっ、馬鹿って何!? 私は本気で…」

私が言い終わらない内に、突然晋助が私の顎を上げて…キスをした。

「ん、」

晋助の手、凄く冷たい。
きっと公園まで全速力で走ってきたんだろう。
そんな晋助の姿を想像したら、何だか笑えてきた。

「ふふっ…」
「何笑ってんだ」
「だって…」

さっきまでぐだぐだつまらない事を考えていた自分が、酷く馬鹿らしく思えた。

「あ、そうだ」

晋助がジャージのポケットに手を入れて、何かを取り出した。

「目ェ瞑ってろ」
「…何?」

言われる侭に私は目を瞑った。

「まだだぞ」

そう言いながら、晋助は私の首に手を回した。
何かが触れる感触。

「開けていいぞ」

晋助の声を合図に、そっと目を開けて首もとを見ると、綺麗なネックレスがかけられていた。。
「これ…」

ずっと欲しかったネックレス。
でもブランド物で高過ぎたから諦めていた物。
其れを如何して晋助が…

「杏奈、前に買い物にいった時、其れ気持ち悪い程見つめてただろ。
だからだよ。……ほら、ちょっと早いけど、1周年の記念だよ」

気持ち悪いは心外だけど、如何しよう。
めちゃくちゃ嬉しいよ。

「じゃあ最近連絡取れなかったのは…」
「ずっとバイトしてた。
杏奈に其れ買ってやるって決めたからには絶対記念日に間に合うようにしたかったからよ」

そうだったんだ…
じゃあ全部私の勝手な思い込みだったんだね。

「私ってやっぱ馬鹿だなぁ〜」

そう言うと、晋助はククッと喉を鳴らして笑った。

「今更気づいたのかよ。…まぁそんな馬鹿なおめェと付き合ってる俺も相当な馬鹿だがな」
「ふふっ、そだね」

私と晋助しかいない静かな公園。

きゅっと晋助のシャツを掴むと、彼は私をそっと抱き寄せた。

「…ありがと、晋助。大好き」
「あァ。…俺もだ」


外は寒いのに、2人でいると温かいなんて不思議。


     end...