二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: デュラララ!!《さらば愛しき人間たちよ》 ( No.7 )
日時: 2010/05/21 19:16
名前: right ◆TVSoYACRC2 (ID: zuIQnuvt)
参照: http://d.hatena.ne.jp/sgr5/

第2話【愛多憎生】

憎い、憎い憎い憎い人間が憎い。嫌い大嫌いいなくなってしまえばいい。僕の前から消え去ってしまえばいい。彼女のように僕は人間を愛せない、好きになれない。心の底からただ憎いだけ。殺したいほど憎いだけ。
憎い憎い憎い憎い、けど僕はあなたを憎んでいない、憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、でも人間は憎い人類全てが憎い、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い憎い、彼女が大嫌い消えて消えて、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、人間がどれほど愚かか、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、僕は人間が憎いただそれだけ、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、あなたは人間を愛することも憎むことも出来ない、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、ああこの気持ちが抑えきれない、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、だから今日も人間を消し去ろうよ、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、この僕で、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、僕らが人間に対して憎しみを持っているということを思い知らせなきゃ、憎い憎い憎い憎い憎い。憎い憎い憎い憎い憎い、だから斬ろう、憎い憎い憎い憎い憎い。

————。

彼が紡ぎ出す憎しみの言葉。
その言葉たちが、その声が毎日彼の中に響いている。普通の人間なら、こんな言葉を毎日聞いていたら軽くてもノイローゼ、ひどくて精神が崩壊しているだろう。でも彼は、今まで彼と共に生きてきてそんなことは起こさなかった。
そう、彼は彼と赤ん坊のときから共に生きていた。その言葉は彼の子守唄であり、知識であり、力でもあった。

この妖刀が。

         ♂♀

——愛は憎しみに変わり、憎しみも愛に変わる。それは対なる存在であり、同等の存在でもある。そして世界は愛と憎しみというものでしか動いていない。
誰かがそう言っていたような気がする。正確には覚えていないけど。まったく、その通りだ。この世は愛と憎しみだけでしか動いていない。嗚呼、馬鹿馬鹿しい。

ある人間は言った。

「俺は人間を愛しているんだよ、竜輝。——何故って、面白いからさ。人間は未知なる存在だ。だから俺は彼らを愛している。けど、俺を楽しませるような行動は何もしない、してくれない。ただ、既に自分の中に植えつけられている行動しか起こさないんだ。その植えつけられた行動——例えるなら、種としよう。その種を芽生えさせようとしないんだ、この世界の人間たちは。その努力をしようとしているだけ。まあ、芽生えさせている人間も僅かながらにいるけどね、この池袋に。とりあえず、俺が人間を愛していると分かってくれたかな?」

人間を愛していると、自分の愉悦のために人間を愛していると、だから人間も自分を愛すべきだと。

ある人間は言った。

「……俺は愛されたいだけなのかも知れねえ……。あのノミ蟲みたいに俺は人間を愛せない。愛したら、その人間が壊れる——いや、その人間を壊しちまうんじゃねえかって……怖いって思ってる。俺はこの通り力が強すぎる。俺は、『愛さなくていいから、愛したい』ってそう言ってくれる人間を望んでるのかもな」

人間に愛して欲しいと、こんな無様な自分を愛して欲しいと、こんな恐ろしい自分を愛して欲しいと、自分は人間を愛せないと。

そして、俺は言った。

「俺は、感情が無いのかもね。だって、俺は人間を愛してもいないし憎んでもいない。こうやって喋っているけど、今俺は何も思っていない。俺の脳が俺の口を使って喋っているだけだよ。……にしては感情が篭っているって? ああ、それは俺が俺の脳に対してそう命令しているだけ。——俺は俺を偽り、他人にも偽っている。本当の自分を、ね。だから俺は俺が分からない。他人も俺を分からない。愛も憎しみも悲しみも怒りも歓喜も全ての感情が分からない。つまり、俺は理解できていないんだよ、人間という存在を」

人間を愛していないと、憎んでもいないと、人間を理解できないと、自分には感情というモノが理解できないと。

嗚呼、全てが馬鹿馬鹿しい。

  
○第3話【盈満之咎】へ続く○


—あとがき的なもの—

!?
なにこれヤバイ