二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: あまつき【天竜桜*〜ココロノ君へ〜*】 ( No.14 )
日時: 2010/05/25 19:21
名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 8keOW9sU)
参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)

ガリリリと音を立たせて何かを描き始める鴇時を二人は見る。
「と、言う事は——ちょっと待ってね」
「?」
円を書き終えた後、鴇時は空を見て言う。
「太陽の方向があっちだろう?一時と三時をこうしてここら辺に書き込んで…」
ガリッと「1」と「3」の数字を書き込んだ。
そして矢印のようなものを描く。
「「?」」
二人は意味が分からないまま見ていた。
「これを基準にして、一時から十二時まで時計の文字盤を作っていって——」
カリッと描き終えた音を立てて少しフゥと息を吐く。
「よしっ、これで矢印と十二時の真ん中が大体北になるはずなんだ。って事はぁ——こっから北の方はあって言う事に…」
鴇時は覚えている所を引っ張り出して言い、北だろううと思う所に指を差した。
歴史だけは覚えないがこれは覚えているのだ。
紺は「ほぅ…」と感心した声を漏らす。
だが、紺が見る方向には………———。
「ん?」
今まで歩いてきた方向だった。
「…………?」
紺は少しキレそうな声で鴇時に言った。
「ツッコミは、けりとひじ鉄から選ばせてやるぞ?」
「本当だもん!!大体だけどちゃんと方向が出るはずなんだ!!」
紺はその言葉を無視してゲシゲシと蹴る。
「五月蝿い!!そんな豆知識なら、ちゃんと使えるように覚えてきやがれ!!」
「い、痛いって!!篠ノ女!!」
蹴っている紺だが、感心していたのであえて力は手加減しているがやはり痛いのは痛いのだろう。
二人が言い争っている間、朽葉は何かに気が付いて言う。
「——…おい二人とも、ちょっとこっち来て見ろ」
「「ん?」」
朽葉はスッと右の人差し指を挙げて続けて言う。
「ここからだと、太陽があっちに見えるぞ」
二人はこの言葉にピタッと止まった。

      第9話 〜方向違い〜