二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: あまつき【天竜桜*〜ココロノ君へ〜*】 ( No.4 )
日時: 2010/05/14 20:17
名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)

「私は、自分が憎いほどです……」
梵天が去った後、一人ポツンと呟いた。
右目の竜の目はギョロギョロと周りを見るように動いた。
その右目に眼帯をスッとかけて、ギリッと歯音を立てた。
自分は帝天に逆らうのが怖いのだ。
あの時、逆らった事は今だって忘れない。
帝天は記憶を消したと思っているが、菖蒲自身消えていない。
自分の運命…これを乗り越えていく自信は今は無い。
「どうして…梵天や彼は、無謀すぎるのでしょうか…」
坂神神社の今の当主、二十七代目銀朱とは仲が良かった。
坂神神社の当主は実は男。
男は姫巫女にならないしきりになっているのは前から菖蒲は知っていた。
その銀朱の彼は、一人で何かをやろうとしている。
私は……彼を裁いて…良いのだろうか?——。
裁かないといけない運命と裁けない自分との葛藤は昔ながらある。
その葛藤の答えは…まだ無かった。
「妖怪混じりの人間…それはなんと言う気持ちの悪い生き物なんでしょうね…」
菖蒲は自分を責め続けなければ…この体では生きていけなかった…。
それ位、呪いは強く苦しいもの。
とは言っても…誰もこの気持ちなんか……知らない…——。
彼女は瞼を閉じて、祈りを捧げた。
何も…この先に無いように……。

     第3話 〜祈り〜