二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: REBORN!青き霧のセカイ 作者名アオイに変更 ( No.48 )
- 日時: 2010/08/03 17:36
- 名前: アオイ ◆wLSWAKdp4g (ID: JYUE09Me)
第十四話「大空と、霧」
先に動いたのは琉乃だった。
術者とは思えぬ動きの速さだった。
グォンと鎌を振りかざし、再び骸の頭を狙う。
骸はそれを再び三叉の槍で受け止め振り払った。
琉乃は空中で一回転するとスタリと着地し、鎌で骸の足を狙ったが、骸が避けた為、空振りに終わる。
骸は琉乃に言った。
「・・・おや?貴方は肉弾戦が好みのようですね?」
琉乃はヘラリと言った。
「別に好きではありませんよ。ただ、まだ幻術を上手く扱えないだけです。すぐ具合が悪くなるんですよ」
ガガガガガガッ!!と素人では見えない速さで琉乃は攻撃し、骸は防御する。
骸は琉乃を払い、距離を置くと微笑んだ。
「・・・では、最高級の幻術をお見せしましょうかね」
———第一のスキル“地獄道”
バババババババババッ!!!!
何本もの火柱が琉乃を襲う。
琉乃は驚愕の表情で火柱を見つめていた。
「!?これは———幻覚・・・!?」
「そうです。これが———六道スキルの力です」
「!?」
———いつの間に懐に!?
その時、琉乃は見た。
・・・右目から・・・死ぬ気の炎が・・・!?
———第四のスキル“修羅道”
ドスゥッ!!!!
琉乃の胸に深々と三叉の槍が突き刺さる。
するとスゥッ・・・と琉乃の姿が霧に変わる。
骸は笑った。
「おや?ちゃんと使えてるじゃありませんか・・・幻術を」
そして後ろを振り返る。
そこにいたのは胸を真っ赤にして荒い息をついている琉乃の姿だった。
「・・・咄嗟に、ね・・・。しっかり刺さってますけど」
琉乃は鎌を振りかざした。
“荒波”
ズオォォォォォォッッ!!と骸に襲い掛かる大きな波。
しかし骸は動じず、三叉の槍でトン・・・ッと床を叩いただけだった。
第一のスキル“地獄道”
沢山の蓮がズバァッと波を切り裂く。
途端、琉乃の体を蓮の葉が捕らえる。
「な・・・!!!!」
琉乃が前を向くと、そこには骸の姿。
良く見ると、右目には“六”という文字が浮かび上がっていた。
一瞬で、それは琉乃の体と心を支配した。
———恐怖。
まさにそれだった。
琉乃は怯えながら骸に問う。
「・・・私を、どうするの?」
すると骸はきょとんとしていった。
「え?何にもしませんけど??」
逆に、琉乃はきょとんとした。
「・・・は?殺さない、んですか?」
「まさか!うちのボスが、そんな事をしない主義なんですよ」
琉乃はそれを聞いた瞬間、はぁぁっとため息をついて言った。
「・・・どうしてそんなに甘いんですか」
「さぁ・・・僕に訊かれましても・・・」
骸は苦笑しながら、しかししっかりと琉乃に言った。
「———でも、だからこそ、ボンゴレ9代目は綱吉君を10代目に選んだんでしょうね」
琉乃は苦い顔をして言った。
「———気に食わない」