二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+テニスの王子様+* 短編小説集 ( No.21 )
- 日時: 2010/05/27 18:46
- 名前: 永遠 ◆Mo6BD6zXCI (ID: HnQQx7lG)
- 参照: 永遠。イツマデモ、限リナク続クコト。…貴方ヲ永遠ニ愛シマス。
“現実での夢”
“つまらない”“疲れた”
が、俺の口癖だ。
実際にそうなんだから、しょうがない。
「現実は本当につまらない」
揺られるバスの中、窓の外を見ながら小さく呟く。
あの男の子、無駄に、元気だなァ。
バスと代わらない速さで走ってる、多分、年下の男の子。
「うわ、腕に包帯…。暑そー」
乗ってきたにも関わらず、俺は思わず言ってしまった。
それと、ゾロゾロ乗ってくる男子生徒。
ったく…。
運の悪いバスに乗っちゃったよ…。
「はぁ」
また、溜息を出す。
「なんや、謙也はまだかいな」
包帯野郎が言えば、ピアスの人は溜息。
「間に合ったでー!!!」「浪速のスピードスターや!!!」
黙れ。
「あ、煩くてすまんなぁ。あれ、自分、四天法寺中なんか…??」
そう言って、“俺”に話しかけてきたのは、包帯。
暑くないのかよ。ってか、話しかけるなァァァァ!!!
「見かけへん子やわぁ…。うふ、ロックオン」
メガネの上から、手でメガネ作っちゃってるよ。このオカマさん。
「浮気か!! 死なすど!!」
あぁ、やっぱりか。やっぱりなんだな。
「煩いから、静かにして」
窓に視線を向けたまま言えば、その場が凍りついたようになる。
ものの、瑞生はまったく気にしない様子。
まぁ、後で、自分の先輩だったと言うことに気がつくんだが…。
***
「俺は神田 瑞生。まぁ、宜しく。あ、君は、バスの煩い人」
瑞生は自己紹介をしながら、少し驚いた様子でピアスの男の子を見る。
「財前の知り合いなんかー。なら、神田はそいつの隣な」
これが、運命だったり、運命じゃなかったりするのだけど。
「光君、宜しく。俺のことは、気軽に瑞生って呼んでくれても良いからさ」
ニコッと瑞生は笑うと、相手に右手を差し出す。
「財前 光」
無駄なコトは言わないし、しない人間だ。
瑞生はそれを理解すると、何事も無かったかのように、椅子に座った。
………、少しは、楽しませてくれよ??