二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】 黒猫闇幻想。 10up ( No.100 )
日時: 2010/06/13 17:28
名前: 煌謎 ◆vBOFA0jTOg (ID: eHFPH3xo)
参照: 君に贈るマヨネーズ

▼story11 「Mayonnaise」

走って帰ったわりには、何故か暑さは気にならなかった。

「あれ、雅焔ちゃん。朝から何処行ってたの?」

「退さん。ジョギングに行ってたんです」

僕は走って屯所まで戻って来た。
なんだか早く真撰組の此の空気の中に戻って来たくて。息を整えながら退さんに笑顔で返事をする。

「えらく息が切れてるね。無理しないで、きついなら休憩取りなよ」

「そうですね。じゃあ、休憩にしよっかな」

僕は退さんの言う通り、少し休憩を取る事にした。
神威と言ったけ、彼に逢って気疲れしてしまったから(後帰り道を休む事なく走った所為もある)

乱れた髪を元に戻し、挨拶をして部屋に戻ろうとした時、再び退さんに話し掛けられた。

「あ、雅焔ちゃん! 疲れてるとこ悪いんだけど、此れだけ副長の所に持って行って貰える?」

「はい、判りました」

僕は渡された袋を持って土方さんの部屋へ足を進めた。
袋の中には言わずもがな大量のマヨネーズ。
……本当にどれだけマヨネーズを摂取すれば気が済むのだろう。


「土方さん、雅焔です。マヨネーズ持って来ました」

「おー、入れー」

襖を開けると土方さんは丁度書類を仕上げた処のようで、大量の書類を一纏めにしていた。
僕は其れを見ながらマヨネーズが大量に入った袋を土方さんの方に突きだし、ぶらぶらと揺らした。

「ほーら、マヨですよー」

「馬鹿にしてんのかてめェ」

「冗談です」

「ったく。おら、早く入れ」

僕が笑いながら言うと土方さんは呆れながら僕を部屋に招き入れた。
換気をしていないのか、部屋が白かったので障子は閉めないでおいた。

「土方さんよくこんな量のマヨ摂取できますね」

「あぁ? こん位なら3日で食い終わるっつの」

「3日で此の量!? 何時か死にますよ」

「じゃあ今直ぐ殺してやりまさァ」

「だからそんな物騒な事言っちゃ駄目です! てか其れ下ろして下さい!!」

僕が話した直後、ふと沖田さんと唯の声が聞こえたと思うと、いきなり目の前の土方さんが爆撃を受けた。

「雅焔、大丈夫ですかィ?」

「「何やってんの!? 沖田さん/総悟!!」」

唯と僕の重なった叫びが、煙だらけの部屋に響いた。
沖田さんは「土方さん抹殺計画実行したまででィ」なんて言いながらドSの笑みを浮かべている。

「総悟てんめェ!!! 今度こそ粛清してやらァ!!」

「ちッ。まだ生きてやがったか」

土方さんは勢い良く起き上がると沖田さんと殴り合いを始めてしまった。
僕は只其れを唖然と見つめていた。

「もう! 好い加減にして下さい!」

「……唯が言うなら仕方ねェ」

「止めねェでくだせェ、唯。俺は一刻も早く土方コノヤローを殺さねェといけねェんでさァ」

「未だ良いですから。今は止めて下さい」

「其れは後なら良いって言ってんのか、雅焔」

取り敢えず二人を落ち着かせ、僕は座り直した。
二人はまだ睨み合っている。

「もう……じゃあ僕部屋に戻りますんで」

元々疲れていた僕は早く休みたかったので、用も済んだし部屋を出ようとした。
すると沖田さんに手首を掴まれた。
驚いて沖田さんを見ると彼は不思議そうに此方を見ていた。

「な、何ですか?」

「雅焔何かあったんですかィ?」

「……何にもないですよ。失礼します」

先程の事で神威を思いだし、苛立っているが顔に出ていたようだ。
沖田さんには悪いがあまり話したくなかったので、一言だけ言って其の侭土方さんの部屋を出た。


「……雅焔。何か苛立ってるみたいでした」

「帰って来て早々土方さんにマヨ届けに来たのが嫌だったんだろィ」

「斬るぞ……外で誰かに会ったか」

「でしょうね。本当、判り易い子ですね。雅焔は」

3人はそう言うと、暫く心配そうに雅焔が出て行った襖を見つめていた。