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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〜鏡音リンレンでオリジナル〜コメ下さい! ( No.93 )
- 日時: 2010/05/26 21:58
- 名前: 燈玖黐(ひくり) (ID: qrnJbgt/)
第6章
外に行きたい。歌を歌いたい。
あの歌をもういちど貴方に捧げたい。
でも、悲しい唄にはさせたくない。
あの唄が、私の生きる証なの。
だから、お願いよ。
最期のお願い。
”もう一度、声を出したいの”
ほんの一時で良い。
貴方に聞かせたい。この唄を。
レン!レン!
私は、また手探りでレンを探し始めた、
手を掴んでくれるレン。
”外に行きたい。遊びたい”
私は、レンに向かって唇を動かした。
レン、きっと驚いてるだろうな。
「リン、分かったよ。」
俺は、リンの手を掴んで外に出た。
リンは、ゆっくり雪の中を歩いた。
そして、雪だまを作り始めた。
その姿、俺には抱きしめたらすぐに雪のように壊れそうな気がした。
儚くて、君の笑顔も全部全部。
消えそうになったんだ。
俺には、リンを抱きしめる事しか言葉を伝えられない。
もう。”アイシテル”なんて言葉で言ったって
彼女には伝わらないんだ。
それは、悲しくて辛いこと。
「リン?」
リンは、いつの間にか俺の眼の前に立ってた。
そして、口を開いた。
「レ、レン。見て。喋れる……!レンの顔が見れる!」
リンは、嬉しそうな顔で言った。
レンも驚いてる。
そして、リンは歌い始めた。あの歌を……
「悲しい唄にはしたくないよ。ねぇ。お願い今この時だけは、笑っていて、そして。貴方はいつも”独りじゃないよ”」
リンは。ゆっくり雪の中に音も無く倒れて言った。
レンは。ゆっくり眼を見開いた。
「リンーーーー!!!」
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