二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: <  脱線 ! >【銀魂】 ( No.34 )
日時: 2010/06/25 21:09
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
参照:                ────もう暴れまくれ!!



< 五 ! >


『私の名前は————』

その時の私の思考はこう。
『沖田、私、もう意識が飛びそうなんだけど』。

それだけの文章を言う力も、今の私には無いのだ。
立っているだけでも軌跡に等しいくらいだ。
傍から見れば、私jは頭から大出血したただの不審者である。

もういっそ病院に逃げ、手当てを受けてから屯所に出頭するか、私。
でも、そうしたらここまで必死に歩いてきた私の努力が水泡に帰す。



私の口から、大量の血液が吐き出された。



そろそろ限界だ。
視界も歪み、全てのものがぐにゃりと曲がった様に見えて気持ちが悪い。

名前を言う前に、私の人生にサヨナラを言わなければいけない様だ。
嗚呼、もう駄目だ、グッバイ地上、ハロー天上。

ゆっくりと倒れ伏す私。
その瞬間に、誰かが支えてくれた気がしたが、もうそんな事は分からない。

私の意識の糸は、そこで切れてしまった。


< 第五訓 怪我人は速やかに医師に連絡を取り診療を受けましょう >


『ッガハッ!!』

「!?」

突然鮮やか過ぎるくらい真っ赤の血が、少女の口からぶちまけられた。
道に広がる血溜ちに、通行人達は悲鳴を上げる。

沖田もあまりの急な出来事に、目を見開いた。

「……アンタ、ここで死なねェでくれよ。〝生死の境を彷徨いながら屯所に向かおうゲーム〟が終っちまう」
沖田はドSなオーラを周りに溢れさせながら、そう少女に言う。

『ちょ、何だそのSMゲーム』と言いたげに、ジロリと沖田を見やる少女。

『あ、ぐ、ひぐっ』
少女はそう苦しそうに嗚咽を繰り返した。
頭から流れる血が、ボタボタと地面に落ちる。

そして、遂に少女の体が左へと大きくぶれ、倒れる———————ところだった。


「おい、危なッ……!」
沖田がそう少女に手を伸ばしたが、届かなかった。
しかし、倒れ伏そうとしていた少女を、しっかりと腕で受止めた人物が居た。

「おっとォ——ッ、あっぶねェな、こんな路中で倒れるなんざ」

坂田銀時であった。
かぶき町内で万事屋銀ちゃんを経営している気だるい天然パーマの男である。

「ああ……万事屋の旦那じゃねェですかィ。何だってこんな処に」
沖田は安堵の息を漏らしたと共に、そう銀時に疑問を抱いた。

「いやよォ、コンビニ行った帰り道にここらでジャンプ落としちまってな。探してたらこの嬢ちゃんが倒れそうになってたから、皆の銀さんがすかさず登場したわけよ」
銀時はそうキメ顔で言った。

「つーか……」
銀時は血まみれの少女を見やりながら言う。

「とりあえず、病院行った方がよくね?」



< 続く ! >