二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ家の毎日【VOCALOID】 ( No.119 )
日時: 2010/05/28 17:27
名前: *yuki* (ID: yjS9W/Zh)

 *宝石とてるてるぼうず*


ザー……

窓を閉めていても、雨の音が聞こえる。
それぐらい強い雨だった。
まあ、梅雨だから仕方ないけど。

「………」

無言。

あーあ。イライラがこっちまで伝わってくるよ。

「…ホントひまだわ!
私雨ってだいっ嫌い!」

リンが急に立ち上った。
そりゃあお前みたいなやつはひまになるな。

「落ち着けよリン。まあ確かに外では遊べないけどさ。
家のなかだってできることはたくさんあるんだぜ?
…例えば読書とかさ。」

あ、読書は絶望的に無理だな。こいつには。

「読書?そんなん全然楽しくないわよ!ぜーんぜん!
私はもっとこう…ワーッてなるようなやつがいいの!!」

ギャーギャーギャーギャー騒ぎはじめた。

…そういえば、「嵐の前の静けさ」って言葉あったな。
さっきのはそれだったのか。うんうん。

そう自分で納得していると、
なんでだろう。俺にジトッとした視線が向けられているような気がした。

「なによレン。黙っちゃって。
なんか意見あるの?
あるならさっさと言いなさいよ!!」

いや、ないけど。
こっちに迫ってくるのはやめてくれ。こわい。

「…いやあ、俺は馬鹿だからわかんないなあ。
ナギ姉ならなんか言って(相手して)くれるんじゃないかなあー」

隣で静かに本を読んでいたナギ姉が、顔をあげ、こっちを見た。

ゴメン。俺逃げる。

あとはよろしく、と小声で言うと、ナギ姉は軽くうなずき、本を丁寧に閉じた。

それじゃ。俺は部屋にいくか。