二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ家の毎日【VOCALOID】 ( No.216 )
- 日時: 2010/06/02 18:14
- 名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)
「はあ…」
夏だからか。
もう真っ暗でもおかしくない時間でも、まだ空はほんのり明るかった。
それはいいんだが、夏というものは、人の心まで変えてしまうのだろうか。
はたしてあれは「スイカ割り」だったのか?
いや、途中から絶対に違った。ああ。
これは夢だろう。
……夢だったらいいのにな!!!
地面には、ぐっちゃぐちゃなもはやスイカとは思えない物体。
そしてたくさんの穴ぼこ。
割れた破片がとびちっている植木鉢。
これらの始末を、俺とナギ姉とアイだけでやれというのか。
なんて非情なんだろう。
だいたいやったのは全部おまえらだろうが!!
…怒ってても仕方がない。それはわかっている。
しかし、本当に泣きたくなるほど悲惨な状況だろ、これは。
「どうすればいいんだ…」
おそらく俺と同じように絶望しているのだろう。
…二人からは、返事がなかった。
こうなった、一番の原因。
それは、あれだ。
…ルカ姉さんの、ぶちまけ祭り。
そう…確か…
ルカ姉さんの番。スイカに見事割れ目をつけた。
「すごいねっ、ルカ!おしい〜。」
「…そーう?ミクちゃん。
別に全然すごくないわよ…。」
手をたたくミクに、微笑みかけるルカ姉さん。
でも、今思えば、あれが悪夢の始まりだったのだ。
「…なんか…つまんないわ…。」
スイカの方を見て、溜息をつき、こっちをちらっと見る。
棒をよこせ。
そう言ってる感じだな。
なので、俺は大人しくそれに従った。
あの時の決断は、正しかったのか?
この状況を考えると、わからなくなってしまう。
しかし断れば俺がヤバいことになっていたんじゃ…
ハッ。
話を戻して。
そう、それで棒を渡すと、ルカ姉さんは迷いもなくスイカの方にすたすたと歩み寄った。
そして。
おもいっっっっっっきり。
棒を振り下ろした。
ミクとは比べ物にならない程。
で…、どうなったか。わかるよな?
もちろんスイカは割れた。ああ、割れたとも。きれいにスパッと。
だが、それだけでは終わらなかった。まことに残念なことに。
今回の「娯楽」をぶち壊すだけじゃ、ルカ姉さんは物足りなかったんだな。
二つに割れたスイカ。
その一つを、叩き割る。
それが割れれば、またその片割れの。
…というふうに、どんどんスイカも、俺たちの幸せなテンションも壊していった。
それで。
最終的に、スイカは中身まで飛び散り、無残な姿になった。
と、そういうことだ。
そして、いつの間に酒を飲んだのだろう。
メイコ姉さんは、どんどん地面をぼこぼこ叩き、落ち着いたころには穴ぼこだらけ。
ミクが破壊した植木鉢もあるし…ああ。
わかっていただけただろうか。
俺たちにおかれた状況を。
だが、ぐだぐだ言っててもダメなのだ。何も変わらない。
というわけで、俺たちは健気に処理をするのであった。