二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ家の毎日【VOCALOID】 ( No.24 )
日時: 2010/05/23 19:39
名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)

フー…

ドキドキした。
まだ心臓がバクンバクンしてる。

うーん、でもなんでだろう。

まあいいや。早く本を取りに行こう。

あの時、もう自分が何言ってるのかわからないほどドキドキしてたけど、
そう、確か、ナギ姉さんが好きそうな本があったから、取りに行こうって思ったんだ。

自分の部屋に行く。
本棚のなかを探す。

…あった!
本を抜き取ると、すぐにナギ姉さんの部屋に向かう。

…あれ。でもなんで、俺こんなに急いでんの?

————ナギ姉さんに、会いたいから?

……ああもう、そんなことどうでもいい!
またあとでゆっくり考えよう!

バンッ

勢いよくドアを開けた。
ナギ姉さんはちょっとビックリしてる。

「あ、ゴメン。驚かせちゃった?」

息切れして大変だけど、なんとか笑顔をつくる。

「い、いえ…そんな…。
でも、どうしたの?いきなりでていって…」

「いや、ね。ほら、これ。」

本を見せる。すると、ナギ姉さんの表情が明るくなった。

「これ、私が読みたいと思ってたやつ…」

「ほんと?よかった。じゃあ…あげるよ!それ。」

「え?でも…」

ナギ姉さんはとまどっている。

「だってさ。俺たち、家族だろ?」

「!」

「だから。ナギ姉さんのものは、俺のものでもあるし。」

「………ありがと。」

あ…。

「笑ってくれたね。やっと。」

「えっ。」

「初めて見た。ナギ姉の笑顔。
……笑ってたほうがかわいーよ。」

「っ…………!」

そう。俺たちは家族なんだからさ。
もっと笑顔になったって、全然かまわない。

「ナギ姉が嬉しいんなら、俺だってうれしい。なっ?」

「うん…。」

大丈夫だよ、ミク。
もうナギ姉は、立派なボカロ家の一員。

俺たちの、新しい仲間だ。