二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ家の毎日【VOCALOID】 ( No.240 )
日時: 2010/06/04 13:58
名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)

……不思議そうに、中に入ったレン。

私も、不思議だよ。
なんでだろうね。


どこまでが本音だったんだろう。
わかんない。

ただ、本当に…いきなり、涙がでてきたんだ。

いきなり。ね。

悲しいとか、ひどいとか、そういう気持ちを感じる前に、
…気づけば、眼がぬれていた。
そんな感じ。

どんどん視界がぼやけていって。

レンの困ったような、驚いたような顔もぼやけていった。

泣いてる間も、なにも考えられなかった。
でも、
『またレンに、迷惑掛けてるのかな』
って、そんな言葉が、頭のなかを、ぐるぐるまわってた。

泣いちゃダメ。そう思ってたのに、全然止まんなかった。
だいたい、泣く理由もわかってないのにさ。

ホント、ヒトって不思議だよね。

そしたらさ、昔のこと。昔の、思い出。
それが、うかんできた。

私、このときから、レンに迷惑かけてたんだな。
でも…このときは、どうやって泣きやんだっけ…

そう考えてたら、つい口からでてしまった、あの言葉。

レンが驚いてこっちをみて。

そしたら私は、なんか笑ってた。笑うことができた。涙が止まった。
嬉しかった。

きっとあの言葉は、魔法の言葉なんだ。

そんなふうに思ってたら、どんどん涙はとまって。
やっと、自由になれた。そーゆー感じだったよ。

『もう、平気なの?』

レンがそう言ったら、急にね。
なんか、あることが思い浮かんでね。

いろんなこと、言っちゃった気がする。

けど、バカらしくてね。
なにが、って言われても私もわかんないから困るけど。

それで、笑っちゃった。

今度は笑いが止まんなくなった。不思議だね。

『試した…?』

とまどってたよね、レン。
うん、なにをって感じだよね。

……なにをだろーね。


たださ。ひとつだけ、わかったよ。

私、レンが昔みたいに隣にいてくれて、嬉しかった。

もやもやしてる気持ちのなかで、それだけはハッキリしてる。

だからね。

これからも…
一緒にいてね。レン。












翌朝。

結局、リンはなにも片づけてくれなかった。
なので、俺がやっている。

「ホント、口だけだよな…アイツ。」

ぶつぶつと愚痴を言っても、太陽は返事をしてくれない。

あー、くそっ、大っ嫌いだ、スイカ割りなんて!
もう二度とやんないからな!


……ああ、でも。

リンとまた…あの時間を過ごせたんだっけ。そういえば。
そういえばな!

うん、だから…まあ…

お礼は…一言ぐらいなら、言ってやってもいいぞ。

って…もしかして、嬉しいのか、俺?

……………………。


「…ありがとよ。」

そう一人でつぶやくと、なんか…、
太陽が微笑んでるように、感じた。


End