二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ家の毎日【VOCALOID】 ( No.272 )
日時: 2010/06/06 16:07
名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)

*一緒につくろう!あっぷるぱい*


暑さ。もうそんなものはどこにもなかった。
あの頃は永遠にこの暑さが続くと思っていたものだ。
冬は冬でこの寒さが永遠に……とか思うけど。

葉っぱが紅く、もしくは橙色に染まったりしてきて。
そんな葉っぱが、風に飛ばされたりして。

すっかり秋だった。

そしてこれは、その秋のころのどうでもいいお話である。







「アップルパイ食べた〜い。」

急にリンが(明らかにこっちを見て)ボソッとつぶやいた。

「そうか。」

「…………なによ、もっと言うことはないの?」

「じゃあ、そうだな、『アップルパイは美味しいな。』」

お前の下心にはもう付きあわねーぞ、俺。

「……美味しいでしょ?
ならレンも食べたいと思うでしょ!!」

バンッとテーブルを叩くリン。

「いや、別に。
俺はそのような思考回路はしていない。お前がしていても。」

「〜〜〜……。」

リンがなにか言いたさげに黙る。おや、大人になったなぁ。
前ならギャーギャー屁理屈以下の理屈をとなえていたのに……。

すると、コンコンというノックが聞こえて、ドアが開いた。

「あの、おやつの用意が……「ナギ!!」

ナギ姉の優しい言葉をさえぎるリン。

「今日のおやつはアップルパイよ!!」

「……へ?」

……ふーん、ナギ姉のこんな顔、初めて見たなあ。

予想通りのことだったので、リンの言動には特に感想は述べないことにしよう。