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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: VOCALOID! 【 リクエスト募集中! 】 ( No.100 )
- 日時: 2010/07/23 19:58
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?356154
扉を抜けると、そこは庭園。
青い薔薇が綺麗な庭園。
「ここは、二番目ね!」
リンは楽しそうに庭園を見渡しながら言う。
レンは、何かを気にしながらリンに向かって、微笑みながら黙って頷く。
レンが何を気にしているか、と言うと。
ここは二番目アリスの世界。ならば、いかれた男、もとい夢の陰謀に殺された青年——カイトが胸から血を出して倒れているはずなのだ。
だが、居ない。どこにも居ないのだ。それどころか、カイトが狂って殺してしまった人の跡——血の跡が綺麗に消えている。赤ではなく、ずっと芝生の緑色だったように。
リンは単純なので、そんなことは気にしない。立ち止まったらそこで考える。
そんなリンの性格を、レンは羨ましく思っている。
「——あら、誰かしら?」
「あっ、ここの人?」
貴族のような、おしとやかで優しい声が聞こえた。
その声に、リンは振り向いて言う。とても、笑顔で。
だが、その声に振り向いたレンは違う反応だった。
ただ驚愕。それだけだった。声だけは出さなかったものの、驚愕の顔でリンとその女の人を見詰めているだけだった。
だって、その女の人の姿は、緑の豪華なドレスを着て、緑の長い髪をツインテールに纏めている。まるで——『三番目アリス』なのだ。
——死んだんじゃ、ないのか? じゃあ、なぜ生きてるんだ。
レンは、そんなことを頭で考えて、その場で突っ立っていた。
「どうしたの? そこの人は」
ミクと思われるその人は、笑顔でレンの方を気に掛ける。
ミクの声に気づいたレンは、少し驚きつつも、微妙な愛想笑いをした。
「——なんでも、ないですよ?」
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