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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: VOCALOID! リクエスト募集中 ( No.16 )
- 日時: 2010/05/29 10:49
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: xYJBB/ey)
一番目アリスは、剣を持ってしまったんだ。
剣を持つ事が、快感になってしまったんだ。
「カーイトー! どこ居るのよー、全く」
赤い洋服の上にワンピースをつけた茶色い髪のショートの長身の少女、咲音メイコが、カイトと言う人物を探しているようだった。
二人は、買い物の途中だった。町から出た時にはぐれてしまったのだ。今までもよくある事だった。
なぜならカイトは好奇心旺盛で、見たことのないものがあるとすぐそこに行ってしまう性格だった。買い物にはあまり行かないせいもあるのか、町に行く度にカイトは迷子になり、帰るのが遅くなって叱られる。
——たまには、人のことも考えて欲しいわ。
そう考える、メイコだった。
そして、いつもの様に町の人に、「青い髪で青のマフラーをした少年を見かけませんでした?」と声をかける。いつもなら、四、五人目ぐらいで「見た」と答える人が居るのだが、今日は、十人目になっても見つからない。
仕方なく、町を出る。そして、塀に囲まれた町の周辺を歩くと、一面に木が沢山ある。そう、町の後ろは森なのだ。森は広く、町の入口からもチラッと見える。
——まさか、ね。そんなところに行くはずが。
そう思うメイコ。だが、そう思っても体が町の塀から離れて、森の方にどんどん進む。
勝手に進む体を抑えて、家のある方角にメイコは走る。
メイコが家につくと、少しホッとしたのか、息を切らして、下を向いて息を整える。息を整えたあとに、町で買ったものを家の茶色い玄関のそばに置き、また町の方へ走っていく。
息を切らしても。それでも。
カイトもメイコも、好奇心があった。
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