二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: VOCALOID!  リクエスト募集中 ( No.25 )
日時: 2010/05/30 15:47
名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: xYJBB/ey)

番外 姉とであった、弟とであった

 「ねえ、レン、アイ。これ見てよ」
「……嫌なタイミングだな、リン」
寝転んでアルバムらしきものを見ているリンが言うと、もうすぐで眠りそうだったレンが、リンの声に気付き眠そうな目をこすりながら言って、寝た体勢のままで、リンの居る方へと転がる。アイは、ソファに座ってテレビを見ていたが、やはりリンの声に気付きテレビを消して、小走りをしてリンの方へ来る。 
 とてとてと鳴る足音が癒される。いや、可愛い。
 「何ですか、これ……」
「あー、久しぶりだな、これ、俺たちが生まれた時の写真だろ?」
「そーそ、クリプトン社の人が……」
「俺たちの母さんだろが」
真実を言うリン。それを遮ってレンがツッコむ。
「ほら! この金髪の人! これがママだよ!」
「そうなんですか……綺麗ですね」
リンが、写真に居る金髪の女性を指差すと、アイが興味を示してじっくり見る。レンは、いつの間にかテレビをつけてお菓子を食べている。飽きたのだろう。
 
 病院の臭い、赤ちゃんの泣く声。
 双子の赤ちゃんが時間差で生まれた。
 「可愛い、女の子のお姉ちゃんと弟くんの男の子ですよ」
看護師が、にっこりと笑って嬉しそうに、おめでとうと言うように金髪の女性に言う。
「そう……ありがとうございます。名前は、リン、とレン」
「可愛らしい名前ですね」
と言ってまた笑う看護師。その看護師に女性は再び「ありがとうございます」と言った。
 リン、レン——四歳。
 「ままー、おはなー!」
沢山の花を持ったリンとレンが同時に言う。
「ありがとう、リン、レン」
と言う出来事や、
 リン、レン、九歳。
 「母さん、割り算できるようになったよー」
「レン、できるの!? 意味分からないから教えて!」
ランドセルを持ったレンが嬉しそうに言って、リンが驚くように言う。
そして、リンとレンのお母さんが笑う。
 リン、レン、十三歳。
「中一だあ! レン、学ラン似合ってるぅ」
「茶化すなよ! 恥ずかしいことすんな」
リンが嬉しそうに、そして茶化すようにレンに言う。レンは赤面させて言う。
やはりお母さんは笑っている。 

 「へえ、そんな出来事があったんですねー」
「思い出せばリン、お前がバカってことが」
「うるさいレン」
 レンの言葉をリンがすぐ遮るその間も、アイは感心しながらアルバムを見ていた。

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「*yuki*さま、リクエストありがとうございました!」