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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: VOCALOID! リクエスト募集中 ( No.3 )
- 日時: 2010/05/24 17:54
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: xYJBB/ey)
ナゾトキ/ナゾカケ
あなたは、私を助けました。だから、あなたの腕を見ると私は、私の心は、痛いんです。
「一つ目のナゾは——何故、彼がひとりの部屋で毒入りのワインを飲まなければいけなかったのか」
私の目の前に居る、片腕の探偵は茶色のコートを窓から入ってくる風になびかせながら言う。
「言わずとも、理由は簡単。彼はあの時に死ぬべき宿命だったのだから」
探偵は、そのまま続ける。
起こしたのは私、殺したのは、誰か分からない。
「さあ、犯人は誰かな? 君は答えを知ってるね? だって、全て君の目の前で起こったのだから」
探偵は私に顔を近付けて意地悪に笑って言う。
私はずっと俯いて黙ったままでいる。だって全て言ってしまったら、あなたが黒白の洋服を着ることになるでしょう?
「……まあ、君が言わずとも僕が教えてあげるよ。この事件の終わりを——」
探偵は、私の表情が変わらないのを見て、やれやれ、と首を振り、探偵の椅子と荷物置き場の役目をしている机に腰をかける。すると、また意地悪な笑顔で微笑んだ。
——あなたは、嘘を言うつもりね?
私があなたの代わりにナゾを解いてあげるわ。
こんな形のままで事件を終わらせなんてしない。
錆付いた鎖の呪いから、助けてあげるから、もう少し、もう少し待ってて。
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