二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: VOCALOID!  【 リクエスト募集中 】 ( No.37 )
日時: 2010/06/01 20:36
名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: xYJBB/ey)

 夢はメイコに斬られて、そのまま消えていった。霧のように、儚い夢のように。
「……呆気ないわ。さて、すす……っ!?」
メイコが進もうとした時、体が自分の意思で動かない。確かに頭は進め、と命令しているはずなのに。
 「はっ、あははははは! あはは、ははは!」
狂ったように、笑うメイコ。体が動かないのと、怖いので混ざる頭。
 分かる事は、絶望の淵に居る。そんな感触。
 笑うことしかできない。笑わないと泣く。でも、炎のような怒りと怒りが混ざり合って炎が大きくなる。
 
 狂い笑いしか、できないじゃないの。

 そう頭の中でメイコは言うと、軽く笑って体の進む方向に抵抗をしなかった。
 森に生物が居たら剣で切り裂く。その度に赤い血がついて、白があった服は赤だけになる。
 人を殺すことなどもう、どうでもいい。そう思っていたメイコ。だが、森の中の生物と言う生物の血を見る度に血の臭いが快感になっていく。誰かを刺す感触が快感になっていく。
 暗い、黒に見える緑の森は、黒に染まった赤と、まだ染まってない赤が混ざった森になった。

 血で染まった赤黒い道をそのまま歩くと、木の中に赤い扉が見えた。
 「とび……ら?」
扉を開くと、赤いこの森の空間では目立つ、豪華な服と金の首時計をした白いウサギが軽い足どりで入ってくる。その首時計は、ウサギの手の上で開いている。
 「君は罪を犯したんだよ。生物を殺した。沢山の、沢山の生物をね」
 ——夢の声。そのウサギは喋る。淡々と、淡々と。小さい夢の声で。
 
 ——消えたはずなのに。なんで。

 メイコの頭は混乱する。混乱するメイコを見て、ウサギは軽く笑ってから首時計を閉める。手を叩いた音のように大きな音を出して。
 すると、木にでも隠れてたように茨がくねりながらメイコの方へ来て、メイコを縛る。手、足、体、頭。全てのパーツを茨が縛る。
 赤い服のせいでよく分からないが、縛った部分から、血がにじみ出る。
 メイコの顔は、とても痛そうな顔だ。
 茨に縛られたままで、メイコは森にある牢屋のような場所に入れられた。
 茨に縛られちぎれた体。

 「ばいばい一番目」
嬉しそうに笑いながらウサギは言った。