二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: VOCALOID!  【 リクエスト募集中 】 ( No.40 )
日時: 2010/06/06 19:29
名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)

 二番目アリスは、歌を歌ってしまったんだ。
 世界が崩れる事が、快感になってしまったんだ。

 『綺麗なお城で有名の国! 森を抜けたすぐそこ』
と町の裏にあった緑のペンキで書いてる看板に、興味をそそられるカイト。そんな有名の国に行ってみようじゃないか、と思ったカイトは、メイコが自分から視線をはずしている内に、走ってから町の裏の森へ入っていった。
 
 ——そして、今。
 カイトの目の前には、ジュースの味がする噴水、甘いチョコレートの家、などがある。空を見上げれば夜。と思いきや、立ち並ぶ建物にはしごを立てて、夜空に浮かぶ金銀に光っている星をとっている人が何人か。
そんな、奇想天外で面白く、楽しい世界。
 「へえ、凄いなー。星って、とれるもんだな」
と、カイトは呟いて感心する。
 感心した後に好奇心を持ってカイトは町を歩きまわる。金色の光っている家や、浮くぬいぐるみ、食べ物の家などの普通の世界にはない珍しいものを見ていると、誰かに当たるような感触がした。
 「あら、ごめんなさい……」
「いや、僕こそすみません」
 カイトがぶつかったのは、緑のツインテールの美しい少女。その緑の髪に似合う、ミント色のドレスには、濃い緑のリボンが目立つ。そんな可愛らしい少女。
「えーっと、あなた……歌、歌えるかしら?」
緑の少女はカイトの顔を見て、恥ずかしそうに手で口を抑えながら言う。
「あ、はい。少しだけなら……」
カイトは、少女がなぜ恥ずかしそうにするのかを疑問に思いながらも、少女の説明に簡単に答えた。
 カイトは、歌うのも好きであったし、聴くのも好きだった。いい曲をメイコに聴かせて、メイコを喜ばせる。それが唯一の日課だった。
 「じゃあ、少し来て下さいますか?」  
そう言う少女に、カイトは「勿論。いいですよ」と満面の笑みをして言った。