二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: VOCALOID! 【 リクエスト募集中 】 ( No.62 )
- 日時: 2010/06/10 21:55
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?351687
番外 過去最大のたからもの
「ミク姉っ! ミク姉ってさ、彼氏とかいた?」
そう訊いたのは、三十分前ほど、好奇心に満ちた顔をしていたリン。
そう、聞いていたリンとレンが涙する前のお話。
「——五年前ほどね、時音ジウくんって言う男の子に一目惚れしてさあ。別に、特別なことがあったわけでもなくてぇ……なんていうか、とても周りに優しくて、初めての人にでも優しく笑顔で接する人だったの。そんなジウくんに惚れて、ご飯をつくれるようにしたり、裁縫とかしたり、嫌いな教科とかもできるようにしたり、救急ポーチとか持つようにしたり、さ。
とりあえず、女の子っぽく、それでも元気に、自分らしいところを振舞ったんだ」
「そっか、それで妙に器用なのか」
「レン、失礼だよ」
ミクの話を途中で切り、レンが言葉を発すると、目を輝かせて聞いていたリンは呆れながらも突っ込み。
すると、ミクは笑いながら、
「そうなんだー、昔はすっごいくらい不器用だったの、私。だから料理とか裁縫で生傷もできたし、勉強はどっちかと言うと不得意だったから、勉強しすぎで熱とか出しちゃって。でも、さ、そんくらい好きだったんだ、ジウくんのこと。たまに話しかけると笑って話してくれてさ。とっても、とっても嬉しかった」
笑いながら、嬉しそうに、それでも懐かしそうに話すミクの話を呆然とした顔で聞くリンとレン。ミク姉にもこんな真剣な恋あったんだ、とでも言いたげな顔で。勿論ミクが悪女で二股と言うわけではない。
あんな天然なミクと違い、恋をしているとても真剣なミクはそんな見れない。だからこそ、驚く。
「でさ。いつかね、息抜きで屋上の方で歌ってたの。唯一のストレス解消だったから。そのときに、バタン、とする音がしたと思ったら、ジウくんがドアにもたれて倒れた音だったんだ。赤面してて、とても可愛くてさあ。「何してるの?」って聞いたら、「サボリ」って。ぶっきらぼうに答えたの。でさ、ちょっと話が続いてさ。さっき歌ってた曲は? とか、なんでみかんジュース? とか。適当に話してたら、いきなり手ぇつながれて……好き、って言われたの——ってあれ、リンちゃん!? レンくん!?」
ミクがうっとりとして、まるでその時を思い出すように話すと、リンとレンが涙。気付いたミクは、そこで慌てて、どうしようかと考える。
「ミク、姉……それっ、いじょうはなっ、した、ら、るいせんほうかっ……」
「ミク姉、なんで、そんな感動させっ、のさ……」
リンは、号泣しながら何も言えない状態、レンは、手の方のカバーで顔を隠しながら泣いて言う。それでも、クールに。
ミクは慌てて「ごめん! ごめん!」と泣きそうにけれどやはりリンとレンが泣き止むわけもなく。
リビングには、号泣しているミクとリン、静かだが、鼻水の音が時折聞こえるレンの泣いている声が響く。
それを通りかかったアイにミクとリンは抱きつく。レンは、やっと抑えられた、とでも言いたげに涙を拭う。
アイは驚いて、「わわわ、どうしたんですかっ!?」
と慌てる。ルカが通りかかると、「大丈夫よ」とでも言いたげに微笑んでアイに肩をおく。アイは、首を一回だけ縦にふる。そんな重大な事態でもないのに、やけに真剣な顔で。
————その翌日。
ミクは赤く腫れた目をこすりながらベッドからおりる。机に置いている銀髪の少年——そう、ミクの彼氏であった時音ジウの写真を見て微笑んでから呟く。
「大好き、じうくん——」
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「うっち〜さま、リクエストありがとうございました!」
一言、
最近涙ネタ多いな←
それにしても更新遅くて待たせてしまってすいませんでした。
うっち〜さま、こんなに待っていただきありがとうございました。
これからも応援よろしくおねがいします。