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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: VOCALOID! 【 うっち〜様リク終了! 】 ( No.77 )
- 日時: 2010/06/25 20:14
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
「なにッ……よ、これ! 頭が、こわれ……」
真っ暗な空間の中で、頭を押さえ、悲痛の声を出すミク。今にも、倒れそうなほどにゆらゆらと動く。その光の見えない永遠に真っ暗な空間で。
——そして、何かが壊れる音がした。
「ゆ、め……?」
夢から覚めたミクは、安心したかのように深く溜息を吐き、胸を撫で下ろす。
——その刹那。
ミクは頭を抑えだした。夢の中の時のように、ゆらゆらとした足どりでどこに行くのか分からないミク。だけど、足はふらふらとしているのにも関わらず、確実に、確実に鏡に向かっていた。
鏡の前に立つミク。いや、立たされているミクは、緊張と恐怖で冷や汗が出る。ミク自身も顔が強張っているのを分かっている。
はずなのに。鏡の中に居る『ソレ』は、笑っているのだ。そして、こちらに手を伸ばしている。本体のミクの方も勝手に手が伸びる。鏡の中から出てくるはずは無いのに、『ソレ』の手は鏡を飛び越えているのだ。
「なんで? なんでなんでなんでなんでなんでッ!?」
ミクは泣きながらそう喚くが、誰にも聞こえなかった。だって——その声は出ていなかったのだから。
ミクにしか聞こえない声、他の人には聞こえない。
ミクが大声で叫んでいる内に、鏡の中の『ソレ』とミクの二人の手が繋がれた。と同時にミクはひっぱられて、鏡の中の『ミク』が代わりに出てきた。
「精神状態、しっかりしてないと早く死ぬわよ?」
そのミクは鏡の中のミクに言ってから、狂うような笑い声をあげた。
「イヤアアアアアアアアッ!」
鏡の中の声なんて、届くはずもなかった。
「ばいばい、三番目」
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