二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: VOCALOID!  【 リクエスト募集中! 】 ( No.83 )
日時: 2010/07/09 20:46
名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?356154

 双子は好奇心で、数々の扉を通った。
 彼がアリスではなかったために、彼女は殺された。

 「残酷だな、この話」
「アリスってもっと可愛らしいものだと思ってたのに、子供の夢壊すつもりかしら」
黄色い髪に、白いシャツ、茶色のオーバーオールを着ている男女の子供——リンとレンが居た。
 二人は双子で、違うところと言えば、リンの頭に白いリボンがあって、レンはリンと同じくらいの髪を縛る。その他には、二人のズボンの丈が違うことくらいだ。
 二人は、Sacrifice Alice(サクリファイスアリス)と書かれた赤い表紙の読んで、リンは頬を膨らませ、レンは、哀しそうにその本を見詰める。
 一番目から三番目までのアリスが、夢に何かを壊され狂い、自分が死んでしまう話。
この本は、リンとレンが読んだページ数しかないが、実はまだ続きがある。が、それにリンとレンは気づくはずもない。
 
 「レンー……暇だねー」
「ああ、そうだな」
庭の芝生に寝転がりながら、今にも眠りそうな目でリンはレンに言う。レンは、リンの声を聞いて、さっきまで持っていた本を置き、リンの方を見て言うと、レンもリンと同じように、芝生に寝そべる。
 そんな、平和で他愛のない会話。これも、いつも通り。いつも本を読んだ後は、このような会話が数分間続く。が、今回は違っていた。
 いつも通りリンが眠そうな目で「んー」と面白そうなことを考え、唸っているかと思えば、急にバッと上半身を起こした。まだ、五分も経っていないのに、といつもの異変に気づいたレンも、上半身を起こし、リンの方に目を向けると、そこにリンは居ない。
レンは、急いで辺りを見渡すと、リンが走っているではないか。レンは、何してるんだ、と思いつつ立ち上がり、リンの方へ走っていった。
 そこにあるのは、リンとレンが丁度一緒に入れるほどの大きな穴。
 「何してんの?」
「レン! 洋服着てるウサギがこっち落ちてった!」
レンが聞くと、リンが振り向いて、大きな穴を人差し指で指しながらキラキラと輝いてるように見える笑顔で言う。

 「……マジッ!? 行こうぜ!」
レンは、驚いたような顔をした後にすぐ笑顔になって、リンに手を差し出すと、リンは「勿論!」と言った後にレンの手を掴んで、二人は走り出した。