二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: VOCALOID!  【 リクエスト募集中! 】 ( No.99 )
日時: 2010/07/19 18:03
名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?356154

 「……なにこれ、手?」
リンが怪訝そうに下を見て言葉を発する。
 リンの向いた方向には、ちぎれた腕が転げ落ちていた。丁度肘のところでちぎれていて、そこからは大量の血が出ている。だが、その血も森の赤い道と混ざってよく分からない。
 歩いていくに連れ、ちぎれた落ちた手足が道に見える。
 リンは、三つ目を見て吐きそうになっている。三つ目は、首から上の部分だった。レンは、大して反応を見せなかった。いや、我慢していた。
 そして、その手足を辿って奥に行くと、本体の下へと辿り着いた。
 本体の下には、赤い血に染められた剣。金色の鞘も、赤く。だが、赤いスペードのマークは、変わらず赤かった。
 本体は、茶色の髪のショートの長身、赤い洋服の上に白いワンピース、と言っても、大量の血で黒くなっていたが。
そんな『一番目アリス』メイコ。 
 レンは、ちぎれた手を見た時点でSacrifice Aliceの一番目アリスの世界だと分かっていた。
 赤い道、ちぎれた体、夢みたいな恐怖。
 レンは知っていたから大して驚かなかったものの、リンは驚いていた。でも、確かに理解していた。
「レン……これって、もしかして」
「ん、アリスの本だよ。一番目アリス」
リンの言葉を遮り、レンが平静を装いながら言う。本当はかなり怖い。そんなレンを見て、リンは溜息を吐いて安心する。怖いけれど、レンが居れば安心できる、と言ったような表情をした。
 「そんな心配することなかったわね。あ、扉って、あれでしょ?」
リンの指差す方向に、確かに扉はあった。
 赤の上に、白で剣が描かれている。ガラスの方には白でスペード。
 剣は、一番目アリスのモチーフ。
スペードは、剣に描かれていたマーク。
 一番目アリスを通り越して、二人は手を繋いで一緒に扉の向こうへ踏み出した。