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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 輪廻の果ては REBORN! ( No.3 )
- 日時: 2010/05/26 21:13
- 名前: 青霧 ◆wLSWAKdp4g (ID: tgMaGFHR)
青の体力はみるみるうちに回復していった。
奇跡の起きた日からおよそ三週間、彼女はもう歩けるようになっていた。
真面目にリハビリに取り組んでいた酬いだろう。
「———はぁ」
ポム、と青は本を閉じる。
どうやら読み終わったようだ。
青は窓の外を見上げる。
楽しそうに囀る小鳥達。
流れ行く雲。
そして青がいる西病棟とは正反対の東病棟———・・・。
そこに、いたのは。
「———??」
青い髪に、赤い瞳の少年。
白い髪に灰色の瞳を持つ青にとって、それはとても印象的な色だった。
ずっと見ていると、少年はカーテンを閉めた。
名残惜しそうに見えたのは、気のせいか。
少し残念な気持ちになる青。
———何故かは、分からなかった。
「青」
病室に入ってきた母の手に握られていたのは一冊の本。
青は異様に気になり、母に訊ねた。
「母さん、その本・・・」
「あぁ、これね、さっきそこで会った男の子に渡してくれって言われてね?・・・お友達?同い年みたいだったけど・・・」
ふと青の頭に、先ほど見つけた少年の姿が過ぎる。
「そんな訳ないよ!・・・しかも男の子なんて」
「よねぇ。大人しい青がそんなに積極的じゃあないもんねぇ」
嫌みっぽく聞こえ、青は顔をしかめる。
「・・・一応本は預かっとくよ」
「そう?お礼いっときなさいよ?」
「ん」
すると母はそそくさと帰ってしまった。
仕事か、と青は少し寂しくなる。
本を棚の上に置く。
その時、
・・・パサッ
何かが本の間から落ちる。
紙切れのようだ。
「・・・あの人の栞だったのかな」
申し訳ない事をしたと思いつつ、青は紙切れを開いた。
「———っっ!」
“今日午後四時、正面玄関前”
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