二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第三話更新! コメ求む! ( No.17 )
日時: 2011/01/24 18:44
名前: 風 (ID: QjUb2K6c)

コメント下さった方々本当に有難う御座います。

夢へ
行かなくても…でしょ?
って言うか,夢はまだ卒論終ってなくねぇ?

僕は名前を出すのに辛かったです…って言うか東仙さんの魅力を教えてやろうか!!
当然!

淡幸様へ
お邪魔してくれて有難う御座います!
まさかDグレじゃなくてBLEACHで会うとは(汗
買う…のは酷な話だから借りて読むとかブックオフで立ち読みとか
漫画喫茶で読むとかしてみたらBLEACH!!
男前な連中と格好良いお姉さんが沢山出る魅力的なキャラの集まりな漫画です^^
僕一押し!

詳しくなくても良いのです!
展開についてけないって感じの時が有ったら何なりと言って下さい(苦笑
そうですねぇ……所で翔兵は淡幸様から見るとどんなイメージでしょうか?
馬鹿っぽいとか弱そうとか格好悪そうとかでも良いですので…是非!




BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第一節
第四話「榛原翔兵 Part3(嘘吐き」


剣戟が夜闇に木霊する。
静寂の世界,霊なる者達の発する音でも建物が壊れる音などは響く。
然し,町民は全く驚く様子などもなく寧ろ静か過ぎる。
恐らくは魂魄保護及び時間停止が施されているのだろう。
手際の良さから考えるに風破が織姫を斬るより前にだろう。
そんな中翔平は額に脂汗を流しながら後退していた。自力が違うからそうなっているのか…


ガガガガガ…
「どうしたよ?後ろに下がってばかりだぜ?」

ビュッ…
「破道の63雷洸砲」

フッ

「やっと此処まできたな」
「何?」



                     ピシィ



だが,違った。
彼は唯単に苦戦している振りをして否,恐らくある程度手強く自力で多少押されてはいただろうが,
目的としては所定の場所へとこの男を誘き寄せる事だったのだ。
しかして旨く彼はこの場所へと風破を誘導したのだった。


瞬間,空気が鳴動する。
最初から初冬の寒さを誇った空気が振動し針で肌を突き刺すかのような寒さによる激痛が走る。
唯一人風破烈祥を目掛けて…
風破は気付いたころにはもう遅く既に半身が凍り自力では脱出不可能な状態だった。


ビキビキ…

「汚ぇぞ……てめぇ!」
「やっ♪オタクらを倒すには何でもするって誓った物で♪」
「蒼天百花葬」


ピシィ



         ——————氷輪丸___もウ,一振リの存在してハ行けナイ筈ノ—————



凍り付いたその男を確認するためにその氷輪丸の主が現れる
眉目秀麗な少し目つきが鋭いが本来は優しさを持っていそうな感じの好青年だ。
唯,何があってか額の部分には大きな焼け傷がある。彼は草冠宗次郎と言う。
翔平と同じ戸魂界に怨恨深き者だ。
彼は一度死んでいるが翔平の持つある力により蘇り彼と行動をともにしている。

彼により凍らされた烈祥はその後適当に路傍に捨て
何時でもお前等など殺せると言うアピールをするために捕まえた。


「ふ〜ん,微妙な中年だな」
「そう言うなよ……織姫ちゃんの所に」


風破烈祥の氷像に辛辣な感想を述べる草冠に冷静に翔平は言う。
そして,織姫のいる場所へと向かおうとした矢先だった。
突然地を這い刃が襲ってきた。




ガシャァン…

「俺の氷輪丸の造った氷が容易く……!!」
ガギィン…

「この霊圧!翔平!!この刃の主…相当強いぞ!!」

「分って…」


スッ___

「え」「なっ?」


フッ


先の攻撃は唯のフェイク……攻撃としてのフェイク,目的は氷漬けの風破と言う男の救出。
然し,全く反応できなかった。目の前を通られるまで姿すら確認できなかった。
明らかに自ら達より格上の存在…それが自ら達の事など何時でも殺せると素通りした。
自分達がやろうとしている事を一瞬で実行した。黒の長髪で赤と銀のオッドアイの鋭い瞳の男___


「…………どうする」
「深追いしても無駄だ!現状まだ敵地にいける戦力でもねぇ」

「織姫ちゃん……か」
「___悪い」


「いや,愛人なんだろう…お前の」


フッ

深追いしても返り討ちにあうのが関の山だ。
まだ,此方は復活すべきメンバーが殆ど復活していない。
先程の風破を捕らえての策も相手の援助が自らたちの行動より遅ければこその策だ。
本当は居ても立っても居られなかった翔平は草冠の言葉を聞くまでもなく瞬歩で織姫の元へ向う。



「織姫ちゃん!!!」
「あっ,榛……原く…ん?」
「そうだ___俺だ!!」


「凄い辛そう…あたしが死にそうなのがそんなに悲しい?」
「当たり前だろう!!翔平は……何時も僕に君の話ばかりしていたよ」

榛原は涙を潤ませて織姫の手を握る。
織姫の姿を視界から外していた先程までは何とか冷静を保っていた。
然しいざ目の前にするとわめくしか出来ない。
そんな翔平の支えになろうと草冠は翔平の友と言う役割を買って出る。

織姫にどう言う関係なのかと質問されると真実でも嘘でもない絶妙の答えを草冠は冷静に答えた。


「俺達は死神の力という関係でつながってる。そして,異端児という扱いでもな。
だから良く傷を舐め合った。
最近はコイツも君のお陰で気が楽になって引越して関係も遠くなったが
凄い霊圧がしたんで偶々探査に来たらこの状況というわけだ」


冷静でハキハキと言う草冠。今の死に行く織姫には草冠の嘘は見抜けなくて…
優しくて嬉しかった。こんな人が居てくれる…自分が死んでも翔平は大丈夫だと…

「草冠!兎に角治療だ!!有りっ丈の治癒霊力を!!」
「分ってる!助けなければ…」


逼迫した表情で翔平が草冠に言う。
二人は全力の霊圧を彼女の傷口に注ぎ込む。
然し,彼女が生きる事を拒否しているのか傷が回復しない。
体の全ての霊圧を搾り出し霊圧の柱が立つほどの力で回復しても全く効果がない。


『早くしないと……早く』
「もう良いよ…有難う……是が榛原君の本心なんだね」

「そうだ___俺はお前が居ないと…」
「大丈夫だよ,君には草冠君が居る………あたしね,翔平君が昔から嘘付いてたの知ってた。」


翔平は必死だった。
今の彼の精神的支柱は間違いなく彼女だからだ。
彼女が居なければ自分は笑えないだろうと言う程に彼女はまぶしい存在だ。
そんな彼女が生を拒否して居る。
唖然とする……

「榛原君は優しいからね…いっつも辛い事や大変な事が有ると大丈夫だとか嘘付くの…
でも,分ってたよ…何かを強く憎んでること…そして,確信した。
大きな存在に復讐することを誓っていたんだね…」

「それは…」
「復讐を攻めはしないよ…榛原君の事ちょっと浦原さんから聞いたんだ…
一族を皆殺しにされたのに運良く生き延びたんだって…
あたしだってきっとそんな目にあったら復讐をする…
でも,勝てる見込みのない復讐で死んで」


ガシッ
「井上織姫……それは心配ないよ。翔平はそんな馬鹿じゃない。
そして,俺達も居る……俺以外にも翔平の元に集まった幾つ者戦士が居る。
この腐った世界を浄化しようとする戦士が…」


「そう………あたし…死神の人達好きなんだ。そして,大切だって思ってる。
でも,榛原君のことはもっと大切で………だからお願い」


「___織姫ちゃん?」



             

             ありがとう



                       アリガトウ



                                サヨウナラ_____


パタン


彼女は全てを知っていた。
翔平の中にある沈鬱した心の闇……復讐心。
そして,彼女自身葛藤していた。
死神の人達が悪い人達ばかりじゃないし…寧ろ良くしてくれた人が多いから…
だから,そんな織姫が愛した人々が殺し合うのは嫌だったから…
彼の意思は強くてそのビジョンが見えたから…
彼女は死を選んだのだ。
全ては自らの行動が招いたのだと悟り己を呪う様に翔平は咆哮した。
女一人失うのにこんなに苦しむなら復讐など考えるなと言う人も居るだろう。
然し,立ち止まれない自分の性分と今の現実が翔平の心をまた傷つけた。





「翔平………俺達は死なない____だから,頼ってくれ」
「………………」

「井上織姫は………安らかな顔をしているじゃないか?君の復讐を受け入れたんじゃないか?」

「分ってるさ…」

「………」

「翔平」


                           ______アリガトウ———



仏頂面で人付き合いの悪い日番谷の親友だった男。
流石は日溜りの様な心を持っている様だ。
一つ一つの言葉が的を射て居てそれで居て有難い。
翔平は最初に復活したのがこの男だったのは救いなのかも知れないと密かに小さく思った。



————————————

一方,瀞霊廷

四番隊隊舎前____

「急げ急げえぇぇぇ!!」
「はいぃ!!」

「山田!お前はあっちだ!全くお前は治癒霊力は優秀だが早とちりが多すぎるぞ!」
「すみません伊江村三席!」

ペコリ

四番隊の重鎮の一人伊江村の声が高々と響き渡る。
一方その指揮の元旅渦とての一護と出会い親睦を深めてから早数年の花太郎も加わっていた。
相変わらずの間抜け具合で余裕のある時は和みになるが逼迫した時は鬱陶しい事この上無い様だ。


「四番隊荒れてますね阿近さん」

「何だ阿散井お前知らねぇのか!?お前の幼馴染の雛森ちゃんが…」
「!!マジかよ……何度心配かければ気が済むんだあの女」
「お〜ぃ,彼女から言わせたらお前もそうだぞ?」

「自覚してます!」

ダン

「全く,あいつも忙しい奴だぜ」
「おい,阿近〜面白い映像があるぜぇ」
「ったく,お前はマイペースって言うか気楽だよな樋州」
「お前だって同じだろう?」

「違いねぇか…」


ボッ


珍しい取り合わせだった。
白哉の命により阿近の元に用事で着ていた阿散井は騒々しい四番隊の様子を訝る。
其れに対して席位は一ランク劣るも三席の大御所として他副官と同等の権限を持つ阿近はため口だ。
雛森の名を聞いてぼやきながらも居ても立ってもいられない阿散井だった。
ちなみに恐らく彼女より前線に良く立つ恋次の方が大怪我の率は多いだろう。
最も彼女と恋次ではガタイが違いすぎるが…
そんな大男の後姿を見ながら同士の樋州と気楽な会話を繰り広げる阿近だった。



一方____

四番隊一級救護所


迅速な措置のお陰か雛森は意識を取り戻していた。
ずっと数時間前から駆けつけ横に居た吉良が雛森が目を覚ましたことに歓喜する。
然し___


「うっうぅ………貴方,だ〜れ?」
「雛も…りさ……ん?何を言ってるんだい…僕だよ!吉良イヅルだよ!」



「頭が痛い…の………何も思い出せないの」


拙い口調,泣き出しそうな顔……
弱弱しく震える体が嘘ではない事を知らせる。
吉良は途轍もない喪失感に襲われた。
此処まで強力な記憶喪失になるとは………原因は彼女に攻撃を当てたのは零番隊の三席だと聞く。
零番隊の参入による完全な情報の錯綜だ…
内輪もめなど下らないのに明確な殺意が沸いた。
そんな震える彼の肩に手が差し伸べられた。


「記憶障害でも回復の見込みはあります……そう落胆なさらないで」
「十二番隊に記憶の生成を頼むのですか?」

「それが最も有力ですがそれは最後の手段です…」
「ならない事を祈ります」


卯の花の言葉は吉良には希望にはならなかった。
吉良はそのまま俯きとぼとぼと歩き今にも倒れそうな細木の様に揺れながら進んでいった。
そして,部屋の入り口で止まり顔を上げ言う。


「卯の花…隊長」
「はい,何でしょうか吉良副隊長?」


「雛森君を………雛森君を宜しくお願いします!!僕ではどうにも出来ない事でも貴方なら!!」
「吉良……副隊長!」


「どうか————」
スッ
「面を上げてください吉良副隊長……彼女の事は私が絶対に何とかします。
お忘れにならないで……彼女の事が好きなのは貴方だけじゃないのです。
彼女のあの優しい笑みに一体どれだけの死神が救われたか…」


卯の花の太陽の様な全てを包み込む母性的な笑み,凛とした自信に溢れた態度…
それを不安そうに見つめる雛森に笑顔は無いが彼女なら取り戻してくれると吉良は信じた。
信じるしかなかった。

帰り道の廊下___
吉良は今は雛森の事を卯の花に預け自分の仕事にまい進しようと職場へと急ぐ。
その帰り道檜佐木と遭遇する。


「檜佐木さん」
「吉良か…雛森の様子は?」

「____記憶が無いんです…命に別状は有りませんが」

涙ながらに吉良は言う。


「———仲間を恨むなよ…間違った可能性だってある」
「分ってます…でも割り切れますか?」
「…」

「檜佐木さん?」
「割り切れねぇよ……だが,先陣切って出てったお偉いさんは今気絶中だ」
「そうですね…」


「徹底的に問い詰めてやる!」

檜佐木の語気は荒々しく吉良でさえ気おされる程だった。


数々の思いは交差して,戦いは幾つもの感情がぶつかり合う修羅の場と成るだろう。



                                    ∞END∞


NEXT⇒第一章 第二節第一話「巨大なる暗雲」


〜あとがき〜
翔兵の兵の部分が間違えているってのは指摘しないで下さい(汗
分ってますから!!
___怠慢ですね…そうですね(涙