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Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第五話更新! コメ求む! ( No.23 )
日時: 2010/12/04 12:41
名前: 風 (ID: 8Tlqu13n)

夢へ
コメント有難う御座います^^
心の友ですよぉ(涙←何処のジャイアンだ…とか言わないで?

色々込入ってますねぇ(汗
はい,草冠が格好良いのは私のアレです^^
翔兵よ…ダークサイドに落ちるなかれ…(マスターヨーダが心配してるよ翔兵!!


BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第二節
第二話「巨大なる暗雲 Part2」


「おっそいわねぇ…何やってんのかしら内のボスったら!!
まさか,意中の女の死体と心中なんて!?」
「姉さん…来た」


ザッ___
「しねぇよ…そんな事は,其れに六分も残ってるだろうが?」

イライラしながら地団太を踏む姉,嵐を諌める事で大変そうな焔が其処には居た。
翔兵はまだ三分ソコソコしか経っていないのにと怪訝そうな顔をして腕時計を見せながら言う。
それに対して三分もかかる事じゃ無いでしょうと彼女は膨れ面で言い返すのだった。

「____ヤレヤレだぜ」
そう,翔兵が頭を掻きながら嘆息している所に1人の男が現れた。



ザッ____
「翔兵,てめぇ……何が有った!?」


「黒崎一護か___神妙な顔でどうした?」
「何が有ったって聞いてんだ!!何で井上の霊圧が消えた!
何とてめぇは戦ってた………そして!!」



               ____何ナンだそノ見覚エの有る連中はヨオォォ!!!____


黒崎一護だった。
浦原達の手により死神の力を戻した彼はその四年間死神代行として戦い続けている。
そんな,彼があの巨大な霊圧のうねりと仲間の霊圧の消失と,
そして感じ覚えの有る彼等の霊圧に反応しない筈がなかった。
無論,翔兵も彼が来る事は知っていた。

「あぁ,そう叫ぶな……井上織姫は死んだ…
戦いの霊圧は護廷の連中と俺と草冠のだ…
こいつ等は冥府の底より俺が呼び戻した仲間だ」


「待てよ……待て」


翔兵は嘘など付いていない。
彼の紡いだ言葉は全てが真実…然し,一護には信じられなかった。
二つ目の質問の内容は分る。何故争っていたのかが分らないだけで…
だが,他の二つが理解出来ない。
死人を生き返らせた……織姫が死んだのに何でコイツはこんなに冷然としているんだ。


「唐突過ぎて理解出来ねぇか?」
「当たり前だ!大体なんでお前は織姫が死んだってのにそんなに平然と…」


ギアァァン!!
「平然と?」

ギシギシ____
「そう見えるか?」


ドッ____



『何だ……この霊圧は!!』


黒崎一護の言葉に翔兵は煮え湯を切らした様に激昂して切掛る。
其の刃からは愛した者を失った絶望と憤怒で彩られている。
霊圧は轟々と燃え上がり全てを破壊する刃となり虚空を引き裂いた。


「離れるぞ…茜雫ちゃん!翔兵が本気だ!!」
「うん…」


「姉さん!」
「分ってるって!!ったく……男って煮え切らないんだから!」


その臨戦態勢の翔兵の霊圧を受けこの場に留まっているのは不味いと
焔が嵐を草冠が茜雫を夫々抱え瞬歩で飛び退る。



ガギィン…

一護と翔兵は激しく刃をぶつけ合う。
翔兵は一護の攻撃を起点に攻撃を繰り広げる。
然し,翔兵の刃を一護はいなす様に回避し空いた胴を攻撃する。

ギャリギャリ___
バッ…


ブン
サッ…


ザザァ…

翔兵は一護の胴への攻撃を回避して後へと数メートル飛び退った。
それに対して一護が猛然と月牙天衝を放つ。
翔兵は其れを上空へ逃れ回避する。


「月牙天衝!!」

ズガァ…
「遅い」
フッ…


ゴシャアァァァ…
「烈風堂々四つの番…集いて薙ぎ払い離れて殺し合え…聡明なる者は這い怒れる刃は奔る
清濁・粛清・悪辣・天意・無双・白雨・銘銘費えて表を上げろ!!」




                          ____破道の94追憶狂想————




ドッ!



『九十番台破道!!』


彼は遥か上空へと逃れ迫り来る一護の速度を計算しながら鬼道の詠唱を唱える。
彼の移動が卍解或いは虚化により行われていたら恐らく間に合わなかっただろう。
それすら彼は計算に入れている。九十番台の破道が一護を襲う。

「回避_____」


回避できる場所など有りはしない。
千万の氷の鉄槌が町全体を覆いただでさえ暗い空が更に暗い。
それに回避すれば町はこの攻撃の餌食となる。被害は計り知れない。



鳴動が響く。
霊圧は分らずとも彼等の存在は見えずとも……
地響きは起こり不安は駆り立てられる。

「お母さん?」
「唯の…地震よ」


怖がる子供をあやす母…恐怖で動きを止める通行人___町に住む多くの人間が恐怖に飲まれる。
そして,力は炸裂する—————




                   ————————カッ———————



巨大な音を立てて空が鳴動し氷の破片は空中で霧散する。
草冠が瞠目する。
一護の霊圧が有る。それも以前より巨大だ…

ドッドッドッドッドッド

「天鎖斬月」


ドン!


黒い細身の刃…柄の先端に切れた鎖…そして,長く変化した死覇装。
黒崎一護の卍解天鎖斬月だ。
翔兵自身彼の卍解を見るのは初めてだ。少し楽しそうな表情をする。
それに対して茜雫は_____


『一護………霊圧が怖い…何か有ったの?今の翔兵の事を許せないの?それだけじゃ無いよね?』
昔の一護との霊圧のギャップに驚きを隠せない。
恐らくは今,正に翔兵に怒りをぶつけているのだろう…
然し,それだけじゃないのだ。


ブン…

「翔兵………テメェ,町の皆が死ぬ所だったのに何で嗤ってやがる!?」
「ん…お前が町は全力で護るから絶対町の人達は死なないという自信が有った」
「テメェ…」

「最も,詠唱した九十番代を其の程度の損傷で抑えられるとは少し…」
フッ

「お前の目的は何だ?」
「切先を退けろよ…集中できねぇ」

「質問に応えたら退いてやる…」
「後,1分もすれば分るさ………俺達がどんな同盟か……
そして,井上織姫の肉体もそれと同時に消える」



一護は翔兵に当然の怒りをぶちまける。
それに対して翔兵は冷然と一護が絶対力を使ってでも町を護ろうとすると言う事を知っていたと言う。
一護は口角を上げ眉間に皺を寄せて「テメェ」と小さく歯軋りしながら言う。
そして,翔兵の言葉に痺れを切らせて持ち前の高速移動で彼の切先に剣を向ける。
然し,彼は動じない。
淡々と時間経過を述べるだけだった……


「1つ訊きてぇ……何で織姫の肉体まで消すってんだ!?」

涙を流しながら訊いてくる一護を翔兵は少し切なそうな顔で見詰めて口を動かそうとする。
瞬間____




                       ズガァン———————————




翔兵の住んでいた別荘が巨大な爆音と共に消し飛び紅蓮の炎が巻き上がる。
是が詰り井上織姫の肉体すら消す事だと一護は悟り思わず翔兵の喉を剣で付こうとする。
然し,翔兵は其れを見越していたのか回避し後に飛び退る。
そしてその瞬間____



「俺は,時限爆弾のタイマーを10分にセットした……逃げる為じゃない。
織姫ちゃんとの離別の為でもない…俺達の………戸魂界への復讐の幕開けの合図だ」


「復讐_______」



ズズズズズズ_____


そして,発せられる翔兵の言葉。
本懐……目的が明かされた瞬間…薄々感じては居た。
彼が護廷を憎んでいた事を……
容易く自らの知る死神を凶刃で貫いた事を…
だが,認めたくなかった一護が其処には居たのだった。
根底から崩された希望___そして,其れは加速する。
空が歪み開く。
一護はこの現象を知っている。


『ガルガンタ!?』

心が警鐘を鳴らす。



             ____其処にハ藍染率いルギン・要及ビ十刃達破面ガ居た————



「藍染!!」

「久し振りだね黒崎一護……因みに是はガルガンタでは無いよ。
更なる空間,死の国から帰る扉だ…理解できていないようだね?無理も無い…知識が無いのだから」


戦慄く一護に藍染は言う。
相変らずの嫌味を含んだ上からの物言い。
忌々しげに彼を見詰める。
其の瞬間___2人が消える。
高速で向かってくると言ったほうが正しいだろうか…


ビュッ___
「初めまして黒崎一護さん……十刃最速と評されるゾマリ・ルルーです」

ガギィン…
『速い…』

ズッ…
「最もその小僧は本当は所詮は真ん中程度の速度しかもって居ないがな」

『後ろ————!!』


ボギィ


「ぐああぁぁぁぁぁぁぁ」
「ヤレヤレ,気の速い子達だ」


ゾマリの第一撃は防ぐもそれ以上に速い老獪の様な厳つい容姿の巨漢の攻撃は回避できない一護。
彼,虚圏の王を称するバラガン・ルイゼンバーンの肩を触るだけの行為に一護は絶叫する。
肩が陥没して激痛が走ったのだ。老いの力…相手の体の触った部分を老化させる力だ…
その部下たちの戯れを見て藍染は一護を余り傷物にするなという程度の反応しか示さなかった。


『何だ…突然肩が!?』

そう悶絶する一護を茜雫は目を伏せて見まいとする。
その様を近くで見る草冠は言う。


「___此処で彼を殺す許可を取るか取らないかは榛原翔兵の意思だ……彼が止めろといえば大丈夫さ」


彼の言葉は正論だ。
彼女も其れを望む。然し,まだ翔兵は其れをしようとしない。
それどころかニヤニヤと嗤い楽しそうだ。



「チッ,あの爺め…楽しそうにしやがって」

フッ___
「おい,ウルキオラてめぇ…」

「そう,声を荒げるなノイトラ……弱く見えるぞ?」
「んだとぉ!!」
「____ウルキオラは奴に殺されたらしい…思うところも有るんだろう」
「俺だって…奴と戦ったぜ?」
「一方的に嬲っただけだろう……」


「ケッ___」


一方ノイトラの横に居たウルキオラが響転でその場を離れる。
それに対して戦いたくてウズウズしていたノイトラが反応して声を荒げる。
それに対してハリベルが諌める様な口調で諭す。
ノイトラは過去の風景を思い出しながら彼女の言葉に同意して口を紡ぐ。
流石に奴と長時間戦い倒されたウルキオラほどの思いいれは無い。
如何に無感情に見える男といえど自分を倒した相手に位興味が有るのだろう。


ゲホッゲホッ___


「咳込んでいる場合じゃないぞ一護……この程度では何も護れん」
「護る……」

ゾマリが訝しげにウルキオラに問う。

「黙れ…俺はコイツと話をしている」
「全く,相変らず上から目線ですね……」

ウルキオラの威光によりゾマリはすぐさま黙り下る。
バラガンは見物を決め込み何も喋る気はないらしい。


「ウルキオラ————てめぇ,てめぇも生き返ったのか」
「あぁ……心とやらを悟ったと思ったが矢張り学び足りないと悟ってな」


一護の問いに淡々とウルキオラは答える。
生き返る強い意思が無ければ生き返ることは出来ないのだから相応の理由があるのだ。
彼の疑念は晴れるときは来るのだろうかと何故かそんな事を思う。
その2人の議論を上空で眺める者の一人…スタークは思う。


『心か……リリネット』


今は此処に存在しないリリネットに思いを馳せて…
その瞬間だった。
翔兵が藍染の元へと歩を進めのは。


「随分と遅いね?」
「いやぁ,面白い見世物でね?」
「何や…意外と下衆みたいやな?」

「藍染隊長とどっちが下衆だろうな…」
「そりゃぁ,藍染隊長は最強の下衆やさかい♪堪忍なぁ…」
「ギン……」「市丸,気持ちは分らないでもないが…」


藍染の言葉に見世物を有難うとばかりに嫌味を飛ばす翔兵。
それに反応し他人の神経を逆撫でする様な物言いのギン……
黒い空気が滲み出る中,東仙と藍染が異を唱える。


「まぁ,兎に角……今は是位にして俺達の新しい住居へ行こうか」
「黒崎一護ぁ殺さねぇのか!?」

「ん?あぁ…意気消沈してるあいつを殺す価値はねぇよ…利用価値もあるしな」
「そうですか…所で住居とは?」

「ラス・ノーチェスだよ」
「あららぁ,バラガン怒るんちゃいます?」
「構わないよ…」


ノイトラに一護を殺さないのかと問われるが
黒崎一護を捨て置いて新しい本拠地へと行くと彼等に翔兵は言う。
本拠地はどのような場所なのだと問う要にラス・ノーチェスだと翔兵は淡々と言う。
ギンの的を射た軽口を軽く聞き逃して彼はガルガンタへの扉を開いた。


「ムッ…あれはガルガンタ」
「どうやら私達の移住地はガルガンタの様ですね」
「全く……故郷帰りが早くて嬉しいぞい」


黒崎一護の近く,ラス・ノーチェスが新たなる本拠地だと聞こえない場所に居た2人。
然し,二人ももう,一護を捨て置いて移動するのだと理解し歩を歩める。


「————どうやら命拾いしたな」
「待て…テメェ等!俺は……戦え」

ドゴォ!
「そんな,不安定な魂で良く言う…戯言を俺の居る場所で吐くな」


立ち上がる一護を蹴り飛ばし馬鹿にしていると喝を入れるウルキオラ。
其れを倒れながら見詰めることしか出来ない一護。
突然の出来事そして,井上織姫の喪失……翔兵が敵に回ったこと…
受け入れるのには短すぎて……心が定まっていない事を一護は悟る。




                         ======ズゥン=======



扉が閉まる。
一般市民たちには聞こえない音が虚しくて一護は蹲り泣きながら言う。




                         ____「畜生!!!!」


その叫びは悲痛に溢れていて…



                               ∞END∞


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