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Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第六話更新! コメ求む! ( No.28 )
日時: 2010/12/25 20:05
名前: 風(元:秋空 (ID: kAWEuRKf)

コメント下さった方々有難う御座います。

ゆずは様
おは♪
此方でも有難う御座います^^
いえいえ,私は君達より5歳以上は年上の筈なので…(汗
そうですね^^適当に頑張るです♪

緋乃椿様へ
有難う御座います!
私は短編上手に仕上げれる人の方が羨ましいですよ(汗
纏める能力無いから…


夢へ
裁ききれるか心配です……
ジャイアン大好きですが何か!?




BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第二節
第三話「巨大なる暗雲 Part3」

_____虚圏

常夜の空……不気味な色の星達が煌く。
地面は砂漠の様な砂地で生態は混沌としている…始めて見る虚圏の風景に物珍しそうにする翔兵。

「殺風景だねぇ…」
「あぁ,私も此処は人の感情が有る者の住む場所ではないと思うよ」

「ラス・ノーチェスはマシなのかい?」
「申し分程度だが……ね」
「そうか…一面砂漠よりはマシじゃなきゃね…」


隣に居る藍染相手に軽口を叩きながら榛原は歩く。
その会話を小耳に挟み苛立つバラガンをスタークが力で諌める風景が見える。


「仲が良い事だな」
「あぁ,部下の教育に抜かりは無いからね」

翔兵の嫌味とも取れる言葉に平然と言ってのける藍染。
その藍染の胆力に翔兵は苦笑を浮かべる。
そうしている内にラス・ノーチェスが姿を現す。石英の様な物質で出来た巨大樹林帯は健在の様だ。


「見えて来たぜぇ!!バラガン陛下の帰還を祝して俺が帰還を鼓舞する踊りドブァ!!」

ゲシィ___
「あぁ,うっせぇなアビラマてめぇは相変らず!何で生き返ってきやがった!」
「あぁ,ジオ!クソ餓鬼のてめぇこそ…」


「ノエス・エサクタ…不正解だ。バラガン陛下は驕らず静かな帰還を望んでいるぞ」
「だそうだぜアビラマ」

「チッ」


バラガン…虚圏の王と呼ばれる男の従属官達は基本的にバラガンが城に帰還する時セレモニーを行う。
その切り込み隊長がアビラマだ。そして其れをいつも鬱陶しがるのがジオ。
そして,バラガンの気性に応じてストッパーをするのがフィンドールの役割だ。
他にも3人の従属官が居たが彼等以外は復活を遂げる事は出来なかったらしい。

一方,ラス・ノーチェスの天辺…ラス・ノーチェスからの見晴らしが最も良い場所。
見張りの女が声を荒蹴る。ロリだ。メノリと二人先の戦いで生延び此処で居している。


「えっ……何?どう言う事よ…藍染様は死んだ筈じゃ!!?
ヤミー……ヤミー!!メノリ!!!」


戦慄き此処に今尚住む者達を呼ぶ。
その高い声に面倒臭そうに反応したヤミーがメノリを肩に乗せて現れる。


「何だってんだ。うるせぇ女だ」
「あれ…」


「あぁん?——————な……———に!?」
「嘘」


顔面を蒼白とさせる二人。
目の前には見知った顔。だが,居てはいけないはずの顔が山ほど居た。
幾ら見ても幻影などではない。


ザッ____

「ヤァ,ヤミー…お前は生きてたのか?」
「ザエルアポロ!!」
「その雌共と一緒に居るとは君も随分丸くなったのかな?」

「セロ!!」


カッ…

「ヤミー………君の主が生きているぞ。
行き成りセロなどご無体だな。
躾をし直さないといけない」

ガシッ…

「えっ…スターク?」

ブン…

「メノリ!!」
「あうぅ」
ズザァ…


スチャッ…
「グラン・レイ・セロ」


                          ——————ズッ———————


開口一番に言葉を発したのは口から産まれたかのようなマシンガントークの持主ザエルアポロだった。
そんなザエルアポロの言葉を無視して
ヤミーはセロを口内より放つが其れは藍染により容易く切裂かれる。
たじろくヤミーに説教だと藍染は剣を抜く。
そんな,ヤミーの横に居て霊圧に押され身動きを取れないメノリを助け
藍染の制裁を制すようにスタークがヤミーにグラン・レイ・セロを放った。


ドドドドドドドドドドドドドド


「僕のグラン・レイ・セロなんかとは違うな」
「当たり前だ…」


驚愕するザエルアポロにスタークは当然だと応える。
ザエルアポロは彼我の実力差を感じながら汗を流していた。



__________

そして,ラス・ノーチェスへと一行が入り数時間が過ぎた。
別段,内装が汚れた訳でもなく一応ちゃんと掃除はして居るのだなと東仙は感心していた。
一頻り余り住み良さそうじゃないがソコソコ綺麗なラス・ノーチェスを散策して
彼等は部屋別けを始めた。十刃等の部屋は容易く決まった。
翔兵の座る場所は勿論,元藍染が居た場所。然し茜雫や草冠達の場所には苦労した。
廊下などは多いが意外と部屋は少ないのだ。
結果,部屋を新築するまではスタークやハリベルと言ったまともな者達の場所に泊まる事になった。

『—————硬そうな感じに見えて意外と座り易いなこの椅子』

椅子は一見石造りに見えたが中々柔らかく座り易かった。
彼は今迄の疲れで目を閉じると直ぐに眠りついてしまった。





闇の中____あの騒がしい男の声が聞こえる。


「俺はお前を止める!
お前の詰らない復讐なんてお前の姉貴は望んでねぇだろう!!」

ガガガガガッ…
「貴様に俺の姉の何が分る!」
「分るさ……命を失った霊達は…口々に言うんだからな!!復讐なんてしないでって!!!」
「姉上の心など俺には関係ない」


「翔兵!!!そんな自分勝手な戦いが有るかよ!!」
「俺は………奴等が許せないから戦っているだけだ……
唯,王の命令で罪を犯した訳でもない者達を何の抵抗もない者達を殺す蛮族!」

「今ではお前も蛮族だ!!」

「この世は先に遣った方が恨まれるんだよ…」


止め処なく流れる一護と翔兵の会話。
不毛と言っても良いような出口の見えない会話はまるで翔兵の心の闇の深さを現す様だ。
翔兵の怒り…憤懣は至極最も…王族特務は許されざる事を平然と行ったのだ。
そして,その末端構成員に当る護廷にも恨みの目が向けられるのも至極当然とも思える。
然し___その恨みを憎しみを……当然持つ物を不条理を喉の奥で飲み込んで堪える者が居る。
だからこの世は周る………



_____


カッ…


「夢か……良いさ,何度でも立ちはだかるんだろう一護。殺してやるさ…絶対な」

筋を通す奴は好きだ。
我を通す覚悟は本当は重い。
彼自身その自らの意思を通す事を美徳としてきた。奴が俺が止まらぬ限り立ち塞がるなら……
俺も奴を全力で殺す—————そう誓った。


カツー——ン…

其処に二つの足音が同時に舞い込む。


「やぁ,藍染様の座っていた椅子より座高が高くなって無いかい?」
「馬鹿は高い所が好きだよね」

見上げるような目付きで嫌味を言う二人。第九十刃のアーロニーロと第八十刃のザエルアポロだ。
其の二人を見下げて翔兵は平然と言う。


「そうだな……だが,高い所から見てると相手の動きが良く分るのも事実だぜ」


フッ
「生憎僕等は君を主君と認めて無くてね」

「良いね…俺も部下の実力は把握したい」


そんな二人の言葉に対して悠然と榛原は正論を述べる。
その意図して目を上に上げ自らを視界から外した瞬間にザエルアポロが飛び掛る。
翔兵は自分の部下の実力が見えると嬉々として剣に柄を当てた。


ガギィン


バッ…
「是位は防いで貰わないと」
「誰に物言ってんだ?」


「食い尽くせグロトネリア!!!」

チャッ…

「白雷」

スパァ…

「何?」


ドッ…

ズガァン……


「やれやれ………ザエルアポロ…お前も解放したらどうだ?」

ザエルアポロの斬撃を軽く受け止めそして,
後から迫り来る開放状態のアーロニーロの攻撃を苦も無く鬼道しかも下位で切り捨てる翔兵。
弱いんだから全力で来いと言う風情で言うのだった。


「啜れフォルニカラス」

「お望みどおり解放してやったよ?」
「_____御託は良いから来い」


ビキ————

「何ヲ油断シテイルノ?ソノ切レタ足……」


パァン……

『破裂した?』


ズズズズズズ
『小さな刃となって俺に!!』


 
                         カッ_____煮え滾レ「劫火」



榛原の言質に腹立ち刀剣解放するザエルアポロ…それに対して興味も無さ気に来いと言う翔兵。
そんな二人を見て甞めるなとばかりに自らの技を披露するアーロニーロだが
そんなアーロニーロの多角攻撃も容易翔兵の始解の焔で飛散した。
然し,その砂塵渦巻く中…


「そら,隙が出来た……頂きます」
「紅蓮穿崩」


ズン…
「僕の羽が!?」

「くそ……やっぱりてめぇのラボにいねぇと雑魚じゃねぇかアイツ!水天逆巻け捩子花!」

ギュルン…

死角を取ったと思い自らの力…羽で食った物のレプリカを造り
その内臓を破壊する特殊能力を発動しようとするザエルアポロ。
然し,突然切先を向けられその羽は切先から放たれる業火により滅却された。
痛みに苦悶の声をあげザエルアポロは堕ちる。
そんな中アーロニーロはザエルアポロを非難しながら海燕の姿を取り斬魄刀を解放する。


然し…



スッ…
「地獄じゃ瞬殺だったって?」
「____うるせぇ…地獄の住人が極端に強かったって訳じゃねぇ!」


ガァン…
「だったら何で簡単にやられたんだよ?」
「地獄の空気に慣れてなかっただけだ!事実あの後俺等は
地獄でも指折りの戦士になってクシャナーダ共の追撃にも心折れなかった!!」

ギュルン…
ボゴォン_____

「セロノ連射ガスタークダケノ特許ダト思ワナイデヨネ?」


「縛道の77……鎖錠鎖縛」

ジャラララ…

そんなアーロニーロの攻撃は容易く片手で受け止められる。
更に地獄じゃ最初の頃は瞬殺だったんだなとアーロニーロの古傷を抉る翔兵。
其れに苛立ちアーロニーロは自らの尾を強力な刃と変えて慟哭と共に振りぬいた。
翔兵は其れを受け止めるも吹き飛ばされる。更に彼はスタークのお株を奪うセロ連弾で追撃をするが
それは翔兵の鬼道により阻止される。
忌々しげな顔をするアーロニーロの目にはザエルアポロの姿が有った。


ハッハッハッハッハ…
「僕にはまだまだ技は有るんだよぉ!!」
サアァ


ザエルアポロは息巻き体全体から毒素を出す。
然し翔兵は其れに驚く事無く風の破道で其れを飛散させ一閃する。
ザエルアポロは倒れこむ。


「くそ……」

「まだ,俺が居るだろうがあぁぁぁぁ!!!」

ドドドドドドド

二人で汲めば結構痛めつけられるんじゃ無いかなどと言っていた数字の上では上の男を尻目に
逆上したアーロニーロは翔兵の縛道を自らの鬼道喰いの能力で喰いつくし
幾本もの足を刃として雨のように降らせた。


然し,翔兵に届く事は無い。元々スペックが違いすぎるのだ。
全ての刃の足は切り捨てられ地面に落ちた。

「負けを認めろ」

「化物め—————」


忌々しげに言うアーロ二ーロ。
実力差は誰から見ても明らかだった。
恐怖と絶望とに敗北感の綯交ぜになった顔のアーロニーロを見て翔兵は高みに立った感覚を覚える。
そして,言うのだった…


「化物……化物の上に立つ者は最強の化物じゃないとな」
「ケッ…ドイツもコイツも虎視眈々だぜ…精々気をつけろ!」

忌々しげに苦味面を下げてアーロニーロは忠告紛いの事を言う。
本当はやられてしまえと言うスタンスなのだが翔兵にはそんな言葉すら心地良かった。
何も言わず退室するアーロニーロを見詰める。


ザッザッザッザ
「アーロニーロ」
「乾杯ダヨ僕等ノ…」

「行くぞ!!」


「チッ……言って置くが僕等はまだ君を認めた訳じゃないからな…また何時か試させて貰うよ」
「何時でも来い」


「その余裕何時までも続くと良いな」


損傷を負い倒れこんでいるザエルアポロを抱えアーロニーロは部屋を出る。
また何時か時が熟したら試すという名目で暗殺を企てる事を示唆して…


「分ってる暗殺なんざ怖かねぇよ……全く」
そんな二人に対して翔兵は口にした瞬間から暗殺じゃないんだよと…軽い風情で言外に言った。
                                 ∞END∞


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