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Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第七話更新! コメ求む! ( No.32 )
日時: 2011/03/05 22:29
名前: 風(元;秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: L0.s5zak)

コメント下さった方々有難う御座います。


夢へ
あけおめ^^
バラガンズ…おぉ,何か良いですね!
絶対硬いと思うんですけどね…石類に見えますしね…藍染様座ってるときも全然凹んでないですしね(苦笑
ザエル達の小技は当たらないと意味がない……ですからね結局。
そうですねぇ…実はもっと遅い予定でした(汗



レッドへ
お久し振りですね^^
Dグレ頑張って下さいです!
所でBLEACHは知ってるのかな??


BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第二節
第四話「巨大なる暗雲 Part4」


敗戦し自室へと感情を露にし音を立てながら歩くアーロニーロ。
翔兵の苛立たしい笑みが脳裏に浮かぶ。頭に浮かぶ程怒りが強力に込み上げる。
アーロニーロは突然床を陥没するほど強く蹴り付け立ち止まり雄叫びを上げ壁を攻撃した。
轟音と共に壁が砕け散り抉れ巨大な創痕が刻まれる。


バラバラ___
「フーフー……気に喰わねぇ!」

ドゴォ!
「やれやれ,君と組んだ僕まで下等種族みたいに見えてしまうからそう言う感情表現は止めてくれ」
「煩イ……ドウセ少シ位壊レタッテ是ダケ広インダ!」

「それは否定しないがね?」

「余り口が過ぎるとお前から喰うぞ!!」
「____無理……だろ?」


ドッ!!


パチパチパチパチ…

「いやぁ,愉快愉快♪」

               ____「誰ダ!?いヤこノ嫌味ッタラしい声まさカ?」


一度では気は治まらずアーロニーロの破壊活動は2分以上続いた。
100m位の壁が抉れ崩れている。だが,この広いラス・ノーチェスに置いては些事。
この程度の破壊,幾度起ころうが大したことはない。
ザエルアポロに諌められた彼は足りないとばかりにそれを豪語する。
それに対してこれだから単細胞は困ると技とらしくザエルアポロはよろける。
気の短いアーロニーロがザエルアポロの処理にかかろうとした時だった。
二人の霊圧と霊圧がぶつかり合う戦地で調子外れの拍手が響き渡る。

そして,それと共に二人にとっては聞き覚えの有る声が響く。
だが,彼等はその人物が復活している事を知らず半信半疑だ。
兎に角,その正体を確認しようと声を方向を振り向く。


「ルピ・アンテノール……生き返ってたのか?」
「酷いなぁ?生き返って欲しくなかったのぉ?」

「どうでも良い……てめぇなんて」
「あははは♪ってか君等此処…僕の部屋なんだけどさぁ?」

「何が言いたい?」
「調子乗ってんなよ…」

「何て言った?」

心底生き返って欲しくなかったという風情で目の前の中世的な男ルピを見るザエルアポロ達。
そして,その反応を見たルピは服の裾を口に当て凄みを帯びた表情をして言う。
此処は俺の縄張りだぞと言う様に……
其れに何が何だか分らないという風情で挑発的に言うアーロニーロ達。

「____コーディングとか自分で勝手に遣るから……お前等調子に乗ってるなよ
分際弁えろ!」


ドッ____
「ハッ!片腕のグリムジョーの後番として分不相応の地位に着いた君が分際!?」
「ソレコソ笑い種ダネ…」


「本当に自分達が僕より格上だと思ってんの?めでたいね君達!」


自分の部屋の入り口をズタズタに砕かれた怒りが洩れる。
霊圧がグングンと上がり放流で風圧が発せられる。分を弁えろと言う発言。
それに対してザエルアポロ達は言う。君の生前の地位は単なる時間合せのお飾りだと。
然し,ルピも知っている。藍染と言う男が分不相応の地位に人を置く様な馬鹿ではない事を…
一触即発だった。




                             ズゥン—————



「な?」

走り出したアーロニーロの背中を足に力を入れ跳躍しようとしたザエルアポロの胸スレスレを…
刃幅10㎝は有ろう巨大な長剣が通った。二人はこの長刀の持主を知っている。
新たに現れた巨大な力に2人は動きを止める。
そして,同時に斬りかかっていたルピも動きを止めていた。



ギシギシ…
「東仙統括官長様?」

ドゴォ…
「下らん内輪揉めは此処までだ…」
「お久し振りやなぁルピちゃん♪相変らず可愛いわぁ♪」

「はぁ…ヤレヤレだよ……ギンさん」

自らとザエルアポロ達の前に一瞬にして割って入りルピの全力の一撃を
軽く受け止める東仙がルピの前には居た。
そして,言外に自分で自分の部屋を壊すなと言っている様に聴こえた。
その直ぐ後に頭を冷やせとばかりに蹴り飛ばされたが…
自らの斬魄刀の始解神槍により砕かれた壁の先より現れたギンを見て
十中八九存在には気付いていたもののルピは目を丸くする。
生前2人は仲が良かったのだ。馬が合った…趣味が有ったのだ。
2人は少し余所余所しい雰囲気で久々の会話を交した。


__________

一方,彼等が虚圏のラス・ノーチェスに到着した位の頃。
現世では翔兵と衝突した一護が未だに絶望と悲嘆の淵に沈んでいた。

「翔兵……分らねぇよ何で?」


<一護……一護>
「おっさん?」
<立ち上がれ……何時までも打ちひしがれているのは真の敗北者だ>

そんな一護の横に黒いボロボロの服を着た長身痩躯の黒髪の男が立っている。
一護の良く知る人物だ。否,存在と言った方が良い。
死神の力の象徴斬魄刀には夫々,精霊と言える存在が内在している。
一護の斬月に内在する精霊……斬月である。
彼の斬魄刀の精霊は卍解と始解により姿が異なると言う特徴を持つ。

世界が止まって見える。
是は精霊廷にルキアを助けに潜入して鬼神,剣八に敗北した時にも見た光景だ。
死神の夫々の斬魄刀の持ち霊達は主の時の流れだけを周りと断絶する事が希にある。
一護にとって是はその行為の二度目だった…

「そんな事言われても…俺はアイツと戦う気力が…」
<そんな事は分っている。お前の心の中は今や仲間を失った悲しみと
仲間に裏切られた憎しみで土砂降りだ…だが…だが!立ち上がるのがお前と言う男だ>

「……………」

グッ————一護は自らノ拳ヲ血が出ル程に握ッタ____


その姿を見た斬月は一護の中の闘争本能と彼の根底にある守ると言う本懐が
失われていない事を感じる。それを一頻り感じて一護の内面の世界へと戻っていく。
瞬間,世界の風景が動き始める。人が…雲が……そして,音が響く。
音が響き始めて分る…世界は動き続けていて…然し今此処で起った事は殆どの人は知らない。
知っている……力を持っている者が今起る脅威に立ち向かわず打ちひしがれているのは愚かだと。
だが,彼には多くの修羅場を救ってくれた友を斬る事に成ると言う事に大きな抵抗が有った。


ザッ

「一護」「黒崎!此処に居たのか!!」


そんな打ちひしがれる弱弱しい背中のオレンジ髪の男の後に2人の歴戦の友,
巨躯の虚等という存在とは無縁だった頃からの本当の親友茶渡安寅…
そして,痩躯の細面の切れ長の目を引く美男子クインシー石田雨竜だ。
一護が翔兵の所に向う前に一護は虚の討伐の関係で雨竜と共に居たが巨大な霊圧を感じ,
石田雨竜に親友の茶渡と合流して一緒に来てくれと一護が頼み先に一護が現場に向ったのだ。


「石田…茶渡」
「どうした?随分と元気が無いな……榛原君が矢張り何かしたのか?」

「分ってんだろ?藍染が復活した…」
「ムッ…矢張りあの霊圧は嘘じゃなかったのか……井上は!井上はどうした!?」


ズン!


気付いた一護は茶渡達にノロノロと振り向きやつれた顔を見せる。
そのやつれた顔を忌々しげに見詰めながら石田は厳しい表情で一護に問う。
一護はそんな事は分りきっているだろうと投遣りな回答をして
そして,藍染の出現と十刃達の復活を告げた。瞬間二人の表情が引き攣る。
然し務めて冷静に茶渡は一番気になっていた仲間の安否を問う。

「—————死んだ」
「なっ!?理由は…榛原君が殺したのか!?」


「違う……アイツの表情からすると,誰かに殺されて…それがアイツの行動の引き金になってて」


一護は茶渡の問いに一層沈鬱な表情を浮べ事実を短く伝えた。
二人は一瞬瞠目する。
何故…誰が?捲くし立てる様に問いたかったが一護の今の落ち込み様を見て其れは酷だと感じた。
石田が懸念していた事を問う。自分達を裏切っただけじゃなくて井上織姫まで彼が殺したのか?と…
一護は其れを一瞬の戦いで少々刀を重ねただけだが違うと否定できた。
唯,何も翔兵は応えてくれなかった…だから予想を滔々と述べるのだった。

「兎に角,此処で話していても埒がない。浦原さんの所に集まって話を仰ごう!」
「ムッ!」

ガシッ___
「チャッ茶渡!?」
「今,お前が動けんのなら俺が支えるだけだ…」
「いっ良いって!自分で…」

「無茶はするな……」


少し安心したかのように石田は咳込み浦原商店で会議する事を提案する。
茶渡も賛同し抜け殻の様な一護の体を抱え込む。
どうやら疲れた友人を自ら背負い連れて行く積りのようだ。
一護は反抗するが茶渡は今の一護がどんな状況か知っている。
だから,一護の強がりを無視して抱え込んだ。


下せとジタバタする一護に浦原喜助から拝借した麻酔薬を使い石田が黙らせる。
茶渡は一見すれば変なコスプレをしている石田と隣に居るから周りを気にしながら
人通りの無い道を歩く。石田も自らより機動力の無い茶渡に合せて移動する。
何時もの光景だ。そして,直進と右折左折を繰り返して裏道を通りながら浦原商店へと辿り着く。
其処は,古びれた駄菓子屋だった。

閉店と書いてある看板を無視し店の裏側の店員及び特別来賓客用の扉から石田達は部屋に入る。
すぐさま,異常な光景が目に入る。真っ赤な鼻と鹿の角のオブジェを付けた筋骨隆々の巨漢。
その巨漢と同じ物をつけて更にはソリを引く小さな少女とそのソリの上に乗るサンタ服の悪ガキ。
そのソリの上に乗った子供は少女に鞭を振い楽しそうにしている。
それが目に余り茶渡が少年の振う鞭を鷲掴みしてその行為の間違いを正す。
少年ジン太は茶渡の無言の威圧感にたじろき鞭を投げ捨てる。
其処にカランコロンと音を立て廊下を歩く影。
緑色の甚平を羽織り下駄を履いた無精ひげの古風な男,
浦原商店店主にして元十二番隊隊長及び初代技術開発局局長と言う大層な肩書きの男浦原喜助だ。

「おやおやぁ,井上さんはどうなされました?」
「ム!」

男の態度からは人の悪い笑みながら口調は快活だが心配だと言う本心が見え隠れしている。
ソレに対し仲間が死んだ現実をまだ受け入れ切れていない茶渡りが反応する。
冷静沈着に見えるが熱血漢である茶渡だ。浦原の言葉と表情に腹が立たないはずがなかった。
だが,このままでは話が進まないと悟り石田が体裁に出る。


その石田の言葉に浦原は一瞬瞠目して何時も被っている帽子で目を隠し言う。

「そっスかぁ……そりゃぁ,辛かったっスね」
その口調からは自らも辛いと言う本音が滲み出ていた。
逸早く,彼等の淀んだ霊圧を察知し良からぬ事が起ったと理解し
彼等を励まそうとクリスマスにちなんだ仮想パーティなどしていたが
逆に石田達の気持ちを苛立たせる結果になったと言う事実に彼は反省気味だ。
ガキ大将の様なジン太も浦原商店の名物店員である巨漢鉄斎も…皆が凶報に沈んだ表情だ。
そんな時,麻酔の効果が消え一護が目を覚ます。


「うっ……うぅ,茶渡…俺…は」
「ムッ…起きたか一護,下すぞ…」

「うおぉぉ!?」
ドサッ…

一護の反応を確認して無造作に一護を茶渡が下す。
この辺の気遣いの無さが長年の友と分る所だろう。無論,二人は内面まで深く知る仲だが…
そんな二人の様を見て石田は少し笑みを浮かべる。


『井上さん…井上さんは多分,僕達の笑みが無くなったら悲しむだろうな』

小さく魂すらも無くなったであろう彼女の顔を思い出し石田は思った。
この笑顔を無くしてはいけない。この戦いに結果を…悲しみに終止符を打たなければならないと。

茶渡のゾンザイな置き方に対してコントの様に抗議する一護。
茶渡は無言でソレを受け流す。
数十秒経過して…一護の熱もクールダウンして此処に来た目的を思い出す。

「浦原さん…」
「何スか?」


「教えて欲しい事が有るんだ?」
「教えられる範囲なら幾らでも♪」


一護に教えを請われて浦原は何時もの御茶らけた態度で応対するのだった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方,虚圏———

ザエルアポロとアーロニーロそして,ルピの小競り合いの仲裁を終えた二人は一緒に歩いていた。


カツンカツン…

このラス・ノーチェスに住まう人々の数を考えると広過ぎるほど広く長すぎるほど長い廊下
道は閑散としていて音を反射しやすい素材の性か二人の足音が自棄に大きい。


「はぁ,このラス・ノーチェスってなぁ…何時も思うんやけど…広すぎて一人で歩くと怖いわぁ」
「確かにな。バラガンの馬鹿の造った城だ。唯広ければ良いと言うだけなんだろう」

「うわぁ…東仙さん厳しい!」

「事実だ…然し,お前が私と同じ復讐者だったとはな」
「せやなぁ,僕も驚きやわ…」

先ず口を開いたのは市丸。
冷徹で心の奥底が読めない人物に見えがちだが実は孤独を嫌う人物だ。
虚圏では自分と馬の会う者が少なくてお陰で話が合うルピとは
他人とは距離を置くはずの彼にしては相当深い関わりを持てたらしい。
そんな静かさに愚痴を言うと東仙が今度はバラガンに愚痴を言う。
愚痴合戦だ。市丸が流石に厳しくないかと非難した所も事実だとバッサリ切り捨てる。

優しくて真面目な男に見えるが厳しい所は厳しい男だ。
一頻り愚痴の言い合いも終り次の会話に映ろうと東仙は逡巡しながら言葉を紡ぐ。
素直に市丸が思っていた以上に純粋で熱い男だったと言う事実に驚いていたのだ。


「復讐の為に死ねないと……お前はそれだけだったか?」
「乱菊が笑って過ごせる世界が来る事を望んどりました…平和,僕もね」

「……そうか,私は身勝手で腹の其処を見せないお前が苛立たしかった」
「でも,今は見せとりますやろ?」

「あぁ,そうだな…少し……少しだがお前に好感を持てる様になった。
因果な物だな…死んで生き返って…少し理解出来るようになるとは」
「せやなぁ……僕は,東仙さんの死様を見てたから少しは分ってたけど…」

死ぬのが怖い…ソレを前面に出していた二人。
市丸は死んだら人生を楽しめないという理由…
東仙は仲間を悲しませるという理由で死ねない本当の理由を暈していた。
最もその嘘の理由も彼等にとっては事実だから突き通せたのだが…

敵討ちと言う同じ目的で藍染に組した二人。
ギンは乱菊に対しての直接の仇…
仇を追っている間に間にこの男が恐ろしい事をしようとしている事を知ったのも
彼を突き動かした大きな理由だろう。
東仙は愛した女を何も出来ず失った事…
戸魂界の賢者達の私利私欲に塗れた損得勘定で
彼女の命を奪った存在が生延び更には上の地位に付いた男と賢者達の愚かな政治への怒り。
腐った世界を根底から破壊するという正義を掲げた復讐心。


「何や僕等…似てるなぁ」
「あぁ…そして,榛原翔兵と言う男もまた…」

「大切な人ってのは…罪なもんですわ」

カツーン

類似性を認め合いながらそして,また自ら達の上に立つ男が
戸魂界への復讐を誓っている事を解し二人は俯いていた顔を少し上げる。
其の瞬間に紡がれた市丸の言葉が東仙の心に熱く染み込んだ。
復讐の道程は遠く険しい。是だけの戦力が居ても護廷及び零番隊は手強い相手だ。
ソレを危惧しながら…そして,かつての友との戦いを想像しながら二人は無言で歩いた。


**************

そして,現世の浦原商店では一護達が榛原翔兵と言う男の真実を聞いていた。
翔兵の一族は元々瀞霊廷の上級貴族で多くの機密文書を有していた事。
更に禁忌の力と称される力を保有し封印していたという事実。
その禁忌の力が王族の目に止まり百年ほど前に迫害され現世に追い遣られたという事。
そして,何も目立った事もやらずに現世で静かに暮らしていたのにも関わらず
つい数年前に大量虐殺されたという事。
浦原の知りうる限りの全てが話された。


「何だよ…死神に虐殺されたって?」
「その通りの意味っス…彼の一族は皆,霊圧を封じられていたから斬魄刀等は持っていても
何も出来なかったっス…それに元々彼等は武才には秀でていても戦いを好みませんでした」

「ちょっと待て…ならば何故翔兵は霊圧を…あれ程の力を!?」
「…復讐をするとおっしゃっていたんスよね?
霊圧を回復させる利器も彼の一族の所有する物の中には有ったらしいっス」

皆の表情が引き攣る。
無抵抗だったと言う事はその利器の力を翔兵以外の者達は使わなかったと言う事だ。
そんな自らの死すら受け入れる者達の魂が彼の中にも有る筈だ。
それでも耐え切れなかった重圧…痛み,殺さずとも説得して取り払える可能性も有ると甘く見ていた。
一護の手が震える。


「井上…井上はこの事を?」
「はい,貴方達より随分前に彼の事については聞いてきました」

其れを受け入れた上で翔兵と付き合ってきた彼女の遺志を踏み躙ることになるのだろうか…
翔兵の復讐を止めればそう言う事になるのだろうか…そんな葛藤も生まれてきた。
一護は多くの感情が流れる脳内を整理する為にと外へ出る。
怒りとも迷いを振り切る為とも取れる大きな雄叫びを上げ地面を蹴り飛び上がった。


「大丈夫か兄ちゃん?」
「最初から大丈夫じゃないよ……あの人」

「雨…厳しいね?」

其の様を遠くから見るように冷静な奇人でも見るかのような目で見つめる子供二人。
その二人の会話に低いトーンで喜助が冷静に突っ込みを入れた。


その時だった。
夜空が湾曲し突然異次元への扉が開いた。
其処には数人の人影が有った。
黒の長髪の面長の美男子,四大貴族頭首でありルキアの兄である六番隊隊長朽木白哉。
小柄な黒髪の女性・十三番隊隊士朽木ルキア。
奇抜な髪型に鈴をつけた独眼の巨漢・十一番隊隊長更木剣八
及び護廷最単身のピンク髪の同隊副官草鹿やちるであった。

其の姿に一護は呆然としている。
するとこの中で最も一護と深い関係に有るルキアが声をかけてくる。


「どうした!?情けない面をして情けない声を張り上げおって!!」
「なっ何で!?」


「我等,山本総隊長の命によりこの重霊地空座町の守護を任された…」


ルキアの言葉にたじろきながら後に飛び退る一護。
その姿を情けないと思いながら追うルキアの横から低い声が響く。
そして,事態の重さを死神達も受け止めている事を理解する一護だった。


                        ∞END∞



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