二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第十話執筆中 ( No.39 )
- 日時: 2011/04/10 21:59
- 名前: 風(元;秋空 ◆jU80AwU6/. (ID: sCAj955N)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
BLEACH 刹那の時間【葵】
小休止:第一回オリジナルキャラクタインタビュー 榛原翔兵編 第一話(全2話)
翔兵「えっと,何で俺は体中をチェーンで括られてインタビューするわけ?」
藍染「君が危険だからさ」
ギン「趣味?」
東仙「作者の都合だ…」
ギン「たはぁ〜,東仙さんそれは言うたらあかんわぁ」
翔兵「風の都合か……アイツMじゃなかったけ?」
藍染「人はMでもありSでも有ると言うのが彼女の理論だよ」
翔兵「知ってるぅ」
東仙「SとMの両極端しか世の中には居ないというのも奴の理論だな。全く持って嘆かわしい」
ギン「真面目やなぁ…」
翔兵「所でさぁ…俺が質問攻めされるコーナーな筈だよね?」
ギン「質問攻めとか悲しい♪」
藍染「ギン…♪をつける所では無いのではないかな?」
ギン「すんません藍染隊長」
翔兵「ネェ,さっさと始めようぜ?」
東仙「そうだな…話が始まらんような気がしてきた」
藍染「君の父親は大鬼道長の鉄斎かい?」
翔兵「そんなアホな…俺も親父の事は族長に少し話を聞いた程度で良くは分らない。
だが,俺が並々外れて鬼道に精通しているのは一族の中でも鬼道の天才の系譜だからってのは確かだぜ」
ギン「ねぇねぇ?高校の頃サッカー部やったみたいやけどポジションは?」
翔兵「ミッドの右ウィング…俺足速かったからね」
ギン「何や…意外と控え目やね」
翔兵「フォワード以外は控え目だろ…アンタの脳内では」
ギン「当りぃ♪」
東仙「君は虚圏に行く前に自らの住居地を爆発させたよね。何か持ってきたものは有るのかい?
車も何も無くなってしまったようだが」
翔兵「あぁ……うん,何もかも燃やしたよ。現世への離別の為にさ」
東仙「成程,何一つ持って来た物は無しか」
翔兵「現世の物は…ね」
藍染「…………そう言えばラス・ノーチェスの地下に我々を復活させた装置が有ったな。
矢張り虚圏には何度か足を運べていたんだね」
翔兵「あぁ…霊圧探知の苦手なヤミーとガンテンバインとロリとメノリ位しか居ない状態だったから
隠れてコソコソするのも簡単だったぜ♪」
ギン「現世でも隠れてコソコソしてたんやもんなぁ♪」
翔兵「……だな」
⇒第二回(最終回)へ
BLEACH 刹那の時間【葵】
第二章
プロローグ_______
ラス・ノーチェスから遠く離れた場所。
不自然に抉られた穴の中,一人の男が佇んでいた。
水浅葱色の野性味溢れる無造作な髪形,そしてシャープな顎の端整かつ野性的な顔立ち…かつて黒崎一護と激戦を繰り広げた破面の戦士だ。
男は懐かしい然し今のこの世に存在してはならない筈の霊圧に違和感を感じ瞠目する。
「この霊圧は…ウルキオラに……藍染!?何でだ…死んでる筈だ」
全ての霊圧を感じ男の疑念は確信に変わる。死者が甦った。
何故だ。魂まで微塵に砕かれた存在が世界に形を成して顕現するなど有りえるのか。
幾ら思案しても答は出てこない。常識を知る者なら答が出ないのは当然だった。
世界の理に反する力が働いているのだから。
逡巡する男の近く,突然空間が歪み時空が裂かれる。
男は,客人の到来かと剣に手を差し伸べる。
現れたのは黒い肌の大きな瞳の女,浦原喜助が正規の死神をやっていた頃の元上司に当る人物,四楓院夜一だった。
珍しい来客に何か良からぬ事が起っていると確信して男はクックと喉で笑った。
戦いは好きだ。肉と肉,力と力のぶつかり合い…胸が躍る。
「あんたが来るってことは何か有ったか?」
嬉々とした表情で夜一に男は問い掛ける。
「井上織姫が死んだ…そして,榛原翔兵が死者を甦らせる秘宝に手を染め藍染達を甦らせた。翔兵は戸魂界に攻め込む積りだ」
夜一は淡々と冷静に現状を理路整然と男に継げる。
織姫の死に二度も腕を再生して貰った身の上である男は暫し思考を停止する。
誰が遣ったのかと問いかけたかったが表情から察するに彼女も其れは知らないのだろう。
男は歯軋りして翔兵の顔を思い浮かべる。たった数度とは言え面識がある。
最近会った時は織姫と仲が良かったのを覚えている。
『何でだ…』
疑念を抱きながら男は確実に事を起そうとしている。
織姫を護りもせず復讐の刃を向けたのかと静かに闘志を燃やす。
無論,如何に優れた神機を使ったからとあれ程の数の者達を復活させるには相当の時間が掛かった筈だ。
相応の準備をして長い期間をかけて計画を練っての復讐なのだろう。
だが,そんな物は関係なかった。
「気に食わねぇ…」
「グリムジョー…」
グリムジョーと呼ばれた男の目には明らかな殺意が滲み出ていた————
End
BLEACH 刹那の時間【葵】
第二章
第二節
第一話「開戦」
夜の帳落ちる現世,剣戟による澄んだ金属音が響き渡る。
その音は,霊成る者達のぶつかり合い建物などが破壊されない限り音は響かない。
ウルキオラは現世で戦える戦力及び一護達の心理状況の確認の為に
ハリベルと共に翔兵に現世に派兵され一護達の状況を霊圧を頼りに探知していた。
予想通りの戸魂界からの援軍と一護達の心理安定を確認して
ハリベルに報告を頼み自らは戦いたい相手である一護と交戦を開始した体だ。
一人は橙色の頭髪に黒き長刀を携え虚の仮面のような面をつけた黒崎一護,詰りは今の彼の最大戦力だ。
一方はモスグリーンの無機質な瞳の無造作な黒髪の異様に白い肌の男,ウルキオラ。
此方も通常状態ではなく自らの刀剣解放である黒翼大魔を解放した状態だ。
空を駆け回り人間には視認できぬほどの速度で刃を交わらせあう。
両者の実力は拮抗していた。否,僅かにウルキオラが押している。
一護はウルキオラから見れば全ての力を総動員して全力だ。
其れに対し一護から見たウルキオラはまだ,第二開放と言う切り札を残している。
是が一護の成長を知らぬウルキオラの見解だ。
押されている上に切り札を相手が切っていないと言うのに余裕の笑みを浮かべる一護に
ウルキオラは違和感を感じ得意の言葉攻めを始める。
「不思議だな…あの崩玉を従えた藍染様を圧倒したと聞いている
まるで,その実力を感じないのは何故だ?俺など一瞬で切り捨てられる筈だ」
「教える義務が有るかよ?」
ウルキオラの質問に一護は超然とした態度で面倒だとばかりに言捨てた。
当然答はそうだろうなとウルキオラは微笑して言葉を並べ続ける。
「藍染様からの話を聞いた事に基き推断した俺の考察はこうだ
お前は藍染様との戦いの直前,時間の極端に緩やかな空間断崖で
自らの父一心の助力により自らの斬魄刀の卍解天鎖斬月から斬月の深奥にある力を聞き出す事に成功した
だが,其れは藍染様の予測していたプロセスとは違った…
藍染様は天鎖斬月即ち卍解すら力で捻じ伏せ卍解を超えると言う机上の空論とさえされた力
天界へ至ると予想していたようだ」
『天界?』
ウルキオラは冷然とした冷え切った声で淡々と考察を述べていく。
今の所はウルキオラの考察と言うより藍染の考察だが一護の耳に聞きなれぬフレーズが入る。
卍解を屈服させる事により更なる力を手に入れる…聞いた事も無い物だった。
其れを尻目にウルキオラは尚も話を続ける。
然し,一護は卍解の屈服をする実力には至れず
否,至ろうともせず最後の月牙天衝と言う容易く習得出来る力に手を染めた。
だが,其の力は強力な力であるのに対し習得が容易く相応のリスクを孕んでいた。
詰りは霊圧の消失だ。
然し,一護はある一団と接触しフルブリングなる力を使役し其れを磨き
自らが肌身離さず持つ愛着のある物の中に有る魂と心を通わせ合い
その物,一護にとっては死神代行許可証を媒介とする事により得た記憶,
それにより代行許可証が吸収した一護の全ての戦いの記憶と力の質を顕現させるのに成功した。
然し,それは所詮は紛い物だった。
フルブリングの相乗効果により同じ物である斬魄刀の持ち霊の完全復活には成功したが
一護自身の圧倒的霊圧の完全復活には至れなかった。
即ち,一護はかつて自らと戦った時より弱い。
「是が俺の考察だ…」
「おいおい,何文字喋ったよ?お前,そんなお喋りだったんだな?」
「前にも言われた…言葉とは伝える物だ」
「!」
最後に丁寧に結びの言葉を言うウルキオラ。
先程までの説明口調と違い少し感情の入った物言いに一護は目を見開きながら
良く喋るなと意外そうに言う。そんな一護の言動に何処と無く楽しそうにウルキオラは言う。
言葉は心を繋げる為に力だと————
一護はこの様な事を言う奴だったのかと驚愕しウルキオラの横薙ぎの一撃に吹飛ばされる。
十回立て程度のビルに激突しビルが崩壊する。
その様を見て祈る様にルキアは目を閉じる。
隣に立っていた浦原はと言うと「いやぁ,瀞霊廷に魂魄保護と空間凍結依頼してて良かったぁ♪」と
気楽な風情だ。それだけ弟子である一護を信頼しているのだろう。
飄々としていて誰も信用しないと言って良いこの男が是ほど信頼するとは珍しい事だ。
「来い…其の程度でもたつく男じゃないだろう?」
「月牙天衝!」
「セロ・オスキュラス————」
黒き霊圧の奔流たちがぶつかり合い黒の嵐が空の全てに広がる。
唯でさえ黒い空が一層黒黒となる。そんな本流の中,剣戟がぶつかり合う。
容赦なき連打の応酬,大地が震撼する様な力の報酬が続く。
然し,一護は地力のさもあり徐々に追詰められ攻められっぱなしに成る。
遂にはウルキオラの光り輝く刃が腹部を貫通する。
「どうした…其の程度じゃないだろう」
ウルキオラは激痛に悶絶しているのか動かない一護を睥睨して言う。
すると一護は少しも痛いという素振りを見せず闘志に満ちた炎がぎらつく様な瞳でウルキオラを見詰める。
ゾクリと体の毛と言う毛が奮い立つのをウルキオラは理解する。
其れと同時に今の一護の評価を間違っていた事を理解する。
実力差は明確なのに誰一人加勢に来ないのは一対一の果し合いをさせてやりたい等と言う理由では断じてない。単純にこの男の実力を皆,理解しているのだ。
詰り,この男は自らの知らない更なる力を手に入れている。
「黒崎一護…また一つ成長したという事か!」
ウルキオラは今まで一度もした事で無いであろう戦いを心底楽しむような爛々とした表情を魅せる。
=============
一方,榛原翔兵及び彼に甦らせられ従う者達は既に虚圏を去り瀞霊廷の門前まで至っていた。
スタークにグラン・レイ・セロを受けたヤミーもスタークが極限まで威力を制御して撃ったお陰でほとんど損傷は無い。
更にグリムジョーの従属官だったシャウロン,イールフォルト,ディ・ロイも復活し
懐柔されていた。
「何だあぁ?門番が居やがるじゃねぇか!?面倒くせぇ!!」
「アホか…あんなデカイだけの門番大した事ねぇっての…本当に邪魔なのは遮魂膜だろ!」
一方,一行は殺気石と呼ばれる霊力を遮蔽する力を切断面から発する希少な鉱石で造られた
壁の前で立ち往生していた。鉱石自体も強力な霊力遮断力が有り霊成る者の力では破壊は不可能だ。
藍染の様に崩玉の力により理の外へと至った者ならまだしも…
バラガンの従属官であるアビラマが声を上げる。
彼は正面しか見ない性質ゆえか門番が邪魔だと考えるが其れを近くに居た小柄な中性的な男ジオに馬鹿にされ地団太を踏む。
そんな様を無視して藍染が鏡花水月を発動する。
藍染の斬魂魄の力,完全催眠を使い門番を操り門を開かせる。
そして,門番である巨漢にノイトラが一閃する。門番は門の重さに耐えられなくなり倒れ伏し門に潰され絶命した。
門が開かれた音に反応し近場を警戒していた死神達が応援を要請して現場へと向ってくるのが分る。
開戦が近付いて皆が高揚している中一人コクトーは気軽な口調で翔兵に質問する。
「所でよぉ…ウルキオラちゃんいねぇのお?会いたかったんだけどぉ?」
「ウルキオラ・シファーなら現世で既に仇敵黒崎一護と交戦中だ。
其れとノイトラの仇の更木剣八…ゾマリの仇の朽木白哉…
ディ・ロイを撃破した朽木ルキア…ヤミーにとって忌々しき存在である浦原喜助が滞在している」
翔兵が面倒そうに応える前にテキパキとした業務的な口調でハリベルがウルキオラの所在,
そして,ぺスキスを全開にして周囲を探り自らの仇敵を探りながらも見つけられていない面々に
仇は現世に居ると言う事を伝える。
そんなハリベルの言葉にコクトーは一護とは自分も因縁が有るんだがと呆けていた。
ドクン————何故か,コクトーの顔を見て胸が高鳴る…茜雫は胸を押さえる
声が聞こえた。
其の声は妙に彼女の体の中にある多くの記憶たちを震え立たせた。
彼女詰り茜雫は実は一つの固体では有るが一つの人間では無い。
現世で死神に魂送され戸魂界に行く途中に何らかの事故で叫谷と呼ばれる所に封じ込められた魂たちの混合体なのだ。
詰り多くの魂の記憶を共有している事になる。
記憶の混線…聞き覚えの有る声を聴いたり顔を見た居るすると彼女のような存在は良く其れを起す。
だが,今回は其れが物凄く大きくて体中が警鐘をならしながらも歓喜している気がして…
彼女をよろめき草冠に寄りかかる。
「大丈夫か茜雫?」
「うん…大丈夫,ちょっとクラッと来ただけ」
「大丈夫じゃないだろうそれは…君は戦いに参加するな」
「…………あたしだけ足並みを外す訳には行かないよ」
「茜雫…」
倒れ込んだ茜雫を抱き抱え心配げに声をかける。
茜雫は笑みを浮かべるが無理をしているのは明確だった。
どのような形であれ死神に世話に成った彼女には酷な事だと彼は理解し彼女の戦線離脱を勧めた。
だが,彼女は其れを拒んだ。
その一連の遣り取りを見て翔兵は小さく笑いスタークは心配げに見詰めていた。
草冠は他人の意思を捻じ曲げるのは由と考えていない故に強く彼女を制止できなかった。
其れを彼は今後,後悔する事になる。
「おい!!あれは……マジか!?」
「藍染隊長に市丸隊長…それにあいつ等は破面!?」
敢えて隠れる必要も無く霊圧を探り戦いたい相手を皆探している最中だった。
其処に異変に気付き援軍を要請した上で現場確認に来た死神達が現れた。
死神達は目の前に居る面々達の絶大な実力と存在するはずの無い者達の数に愕然とする。
「ひっ怯むな!!逃げろ…絶対に敵わん!コイツラ霊力を隠して居たんだ!!」
形勢不利を即座に察知し指揮官が退避と隊長達への報告を命じる。
然し,それは既に遅すぎた。市丸ギンの神槍が彼等先遣隊を人薙ぎにして全員の物語を鎖した。
「あ〜ぁ,空気読めへん奴等は嫌われるで」
「もう,聞えてねぇよ」
説教がましくギンは雰囲気台無しだと忌々しげに言うと
其れに対してスタークがそんな事で殺すなよと言うスタンスの入った声音で言う。
スタークと言う男は殺戮を好む男ではなくこの戦いも唯一人しか倒す気は無いと言う変わり者だ。
そろそろ皆,熱気を帯びてきた。
現世に行きたい面々は現世侵略の許可を与え翔兵は前に出る。
そして,霊圧を網状に張り巡らせ複数人の対象の位置を捜索・捕捉し伝信する鬼道,
天艇空羅を使い宣戦布告する。
「ご機嫌麗しゅう,下らない死神諸君…俺達は復讐の刃。
あんたらに不当な扱いを受け鬱屈とした地獄に身を置き続けてきた者達だ。
俺達はあんた等を許さない…断罪の刃にてあんた等を処する事を此処に表明する……
死にたくなければ精々足掻け。どうせ,俺達には勝てない!」
全ての死神達に翔兵の言葉は伝わる。
そして,其の瞬間翔兵は抑えた霊圧を解放する許可を中間達に出す。
瀞霊廷全土が極限に濃縮された霊圧で覆われ力なき者や病弱な者は倒れ込むほどだ。
霊圧を漲らせいざ戦いの場へと彼等は奔るのだった。
「ん?藍染隊長は行かないの?」
「私も現世に行きたいんだが良いかい?」
「何で?」
「平子真子に用が有る」
「OK♪」
そんな中一人残った藍染に訝しがるように翔兵は問うと藍染は現世に行きたいと言う。
黒崎一護かと思いながら何故かを問うと以外にも仮面の軍勢に挨拶に行きたいと言う。
確か情報では彼らの事を余程差別していた筈だが…少し逡巡して翔兵は成程と合点が行く。
詰り仮面の軍勢を自らが殺して自分に提供すると言っているのだ。
腹に一物持った男だ。真意は不明だが面白いと思い翔兵は其れを許可する。
藍染は其れを聞いてすぐさま現世へと向った。
すると藍染が現世へと向ったのを確認してから戻って来たかのようなタイミングでアーロニーロが現れる。
「ヨォ…俺も現世に行って良いだろ?」
「うん,藍染の監視頼むよ…」
そんな事だろうと思ったと翔兵は目の前の男を単純だと軽蔑しながら申し出を許可する。
そもそも,戦力的には圧倒的に勝っているのだ。
元々独立独歩な連中だし束縛するのは止めた方が良い。
彼の何の中身も無い様な判断はそう言う彼等の本質を理解した物だった。
「さてと…俺も行くか」
皆が方々に散ったのを確認して翔兵も漸く足を進めた……
∞END∞
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