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Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 コメ求む ( No.7 )
日時: 2010/09/12 13:44
名前: 風 (ID: XYMBYRGP)

コメント及びオリキャラ下さった方々本当に有難う御座います。

天蘭様へ
書けるかどうかが問題じゃないですねぇ(汗
一つも書ききる気は無いですし(苦笑
翔兵は個人的に自分が書いた数多くのオリキャラの中でも一番好きだったりするんですvv
オリキャラ有難う御座います!


ねこうさぎ様へ
オリキャラ有り難く受け取ります^^
九つの刀全部は出せなそうだなぁ(苦笑

あと1人オリキャラ求めているので宜しくです^^
出来れば50とか60とか行ってる感じのキャラで…


六様へ
Dグレではフィアルテ姉さんを有難う御座います^^
オリキャラ有難う御座います^^

加奈子へ
来てくれて有難う!
加奈子も頑張ってね^^


BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第一節
第一話「王属特務隊長格」

王界
それは戸魂界の更に奥に封印されるような形で存在する空間がある。
勘違いしないで欲しいのは戸魂界の中に存在する空間で有りながら
戸魂界と全く違う空間で有ると言う事だ。
王界は巨大な木造の建築物の様な様相をしている。
窓から外を見回せば木々は遥か空の下に有り建物に雲が掛かる。
王族と王族を護衛する者達のみが此処には存在する。
其の王族を護衛する者達こそが王属直務である。

彼等は常に王の言質に従い動き完璧に速やかに任務を達成する20人の精鋭だ。

彼等精鋭王属特務には幾つかの特許がある。
今まで特許権は殆ど発動された事が無いが以下の通りだ。

一.王との面会を許されたし
二.四十六室の裁定を覆す資格あり
三.各々自らの判断で現世へと赴く事を許す


と言うものだ。
彼等は悪くすれば大いなる反逆や犯罪に利用できるその三つの特許を全て王の為に使う忠義の者達。
そして,何よりも強く聡明だった。

王属特務の長である玄海竜十郎時貞は今,王に召集され王の間で謁見していた。
現護廷十三隊総隊長山本を超える老齢で立派に蓄えられた髯と
長い赤茶色の頭髪が特徴的な山本と比べると優しげな笑みのある老獪だ。
一方,其れを従えるであろう王は彼と比べて若々しく
青のボサボサ頭で堀の深い豪放磊落そうな顔立ちだ。
彼等の会合は終盤に差し掛かっているらしい。

「頼めるか時貞?」


王は時貞に了承するかと確認する。
老獪は思慮深い顔で頷く。


「あい,分った…では,直ちに瀞霊廷に参じましょう」
「お前ならそう言うと思ってたよ…」

「ほっほっほ♪我等は基本的には自由な立場ですが王の勅命だけは破棄できぬ運命ゆえ」
「____まぁ,久し振りの現世と瀞霊廷だろ?楽しんで来いよ」

「えぇ,そうしますとも…本件は決して楽しい物では御座いませんがな」

老人玄海竜十郎時貞は楽しそうに主君たる王相手に飄々と会話をかわし王の居を去った。
玄海竜十郎時貞は己が帯びた大命を遵守すべく自らの信頼する部下達の居へと向かう。
瀞霊廷への連絡を早々に済ませ
1人ではとてもこなせない任務と悟り他の同僚を5人連れて行く体だ。

王属特務は普段,強大すぎる力の為組んで戦ったり一箇所で戦ったりすると力が極端にセーブされる。
故に,相当の事でもない限り多人数行動は行わない。
それが普段は王界から動かないはずの其れが更に多人数で行けば瀞霊廷は混乱する可能性もある。
それすらも持さず早急に行動せねばならない事だ。

「副隊長伊戸部慎三・第三席風破烈祥・第四席篝火刹那・第五席虚空田白蓮…
以上,この精鋭五名で巨悪虎狼衆の殲滅を行う。良いな!!」




「はっ!」


選ばれたのは隊長である自らの一つ下から上位四名,王属特務でも最精鋭と呼べる面々だった。
四人は隊長たる時貞の声に統制の取れた雰囲気で答える。
そして,各々武器や道具の点検の為に直ぐに動き出す。

「ふむ,兵は拙速を尊ぶ…ワシが命令せずともこの迅速さ感服の至りじゃ…」

優秀な部下達の反応を見て時貞は嬉し頼もしい反面,少し自分の立場が無いような気がしていた。
その時だった。彼が自らの部下の出来の良さをしている頃,数分と経っていない。

紫のパキパキに固められた独創的な髪型のサングラスを掛けたワイルドな無精ひげの男。
男は,この瀞霊廷に不釣合いな現世で言う一昔前の西部劇のガンマンの様な姿をしていた。
零番隊第三席風破烈祥だった。

「風破か…もう,終ったのか?」

「生憎,俺は何時も闘いと存じてますゆえ用意するものが無くてね?」
「ははは,人生常に闘いか…良きかな♪しかし,その割には主はゆったりしてるのう?」


「ふっ♪楽しんではいますが油断はしてませんよ?」


風破は時貞の問いに飄々とした態度を崩さず自らの持論を論じる。
それに対し戦士らしい良い心構えだと時貞は納得し褒め称えた。


============

時貞から瀞霊廷に王属特務の訪問の知らせが来て数分後の話。


「雀部よ…地獄蝶を使いこの胸を護廷の隊長・副隊長の連綿に通達…」


此処は護廷十三隊中枢一番隊詰所。
古き友人の声を聞き久し振りだと慈しんで居る間もなく
山本は男の声音の緊張を感じ緊急体制を取る。
それに何一つ応えず無言で行動で示す雀部。究極のツートップの形の一つだろう。
彼は事細かに山本の諸作動,受話器から漏れる声を頼りに状況を把握し地獄蝶に内容を記録させる。




                       〜地獄蝶が各隊ヘ飛び立ッ〜



『緊急事態ナリ。王界ヨリ王属特務数名ガ来訪…視察デハナイ。
緊急任務ノ要請デアル。各隊隊長格及ビ副隊長ハ速ヤカニ隊首室ヘ集マレタシ。』


其れを乗せた蝶がヒラヒラと人通りを避けながら護廷総勢十三部隊の長達の霊圧を探り飛び交う。
その内容は短く然し,護廷上位の者達にとっては緊張を隠せない内容だった。

「ふぅ,参ったねぇ…零番隊が何の用だい?」
「サボろうとしても私が連れて行きますからね?」

「分ってるって七緒ちゃ〜ん,僕は良い子だからサボりなんてしないって♪」

「誰が良い子だか…」


八番隊の総隊長山本の弟子と言っても過言ではない京楽は少々思い腰を上げる。
それを副官の七緒が後押しする雰囲気だ。


「松本,行くぞ…」
「えぇ!?あたしもですかぁ!?」

「当たり前だろう!てめぇ,さっきの報告聞いてたか?隊長及び副官って言ってたろうが!!」
「ぶ〜,そんなの無視したって…」

「あぁ,お前は別に良いだろうなぁ…副官から落とされるだけだから…
俺は十番隊の隊長としての面子に関わるよ…」

「……あぁ!!はいはい,行きますよ…冗談ですって!!」
「そういう冗談は謹んで貰いたいもんだな」


十番隊のツートップ,金髪の美女乱菊と銀髪の天才児日番谷は
立場が逆転しているかの様な遣り取り。
隊長の日番谷が憎まれ口を叩き是以上抵抗したら立場が悪くなるように仕向けて漸く乱菊が動く。


「あ〜ぁ,面倒だ…行くぞやちる」
「アイアイサー♪さっさと終ると良いねぇ?」

「だな…」


剣八とやちるは形式上会議に出るだけで会議の内容などに興味は無いようだ。
唯,強い敵が現れるという雰囲気は剣八自身は感じていて少し口角が釣り上がっていた。


「今,良い所だったのに…全く総隊長殿も良い所で邪魔を差し伸べてくるものだヨ」
「どうなされますかマユリ様?」

「どうもこうも出席するに決まっているだろう薄鈍!私の立場に関わる問題だヨ…
なるべく良い子を演じなければネ?」


マユリはと言えば自らの実験の停止を突きつけられる事を恐れ世間体で隊首会に望む胸だ。



その蝶の言伝は粗同時刻に各隊の上位の面子に届き,
夫々思い思いの反応をして彼等は思い腰を上げて呼び出しに応じる。


ザッ

ザザッ_____



ゾクゾクと隊長達が一番隊隊舎へと到着する。
そんな中,三番隊・五番隊・九番隊は各隊隊長が死亡したため副官1人ずつだった。

「零番隊ねぇ…正直,余り会いたくない存在だな」
「何でですか檜佐木先輩」

「雲の上の人って感じで鼻高々だと嫌だろう?」
「確かに…」

黒髪のボサボサ頭のシャープで精悍な顔立ちのノースリーブの男,
そして,金髪で少し疲れの見える顔立ちの痩せ型の男が揃って歩いている。
2人は黒髪の方が九番隊副隊長檜佐木修兵,そして金髪の方が三番隊副隊長吉良イヅル。
夫々,裏切りの隊長格と呼ばれた隊長達の副官だった存在だ。
彼等はある事件より元より仲が良く然しそのある事件が切欠で利用された被害者でもある。
その面子の中には彼等2人以外に赤髪の野性味溢れる男六番隊副隊長阿散井恋次。
裏切りの隊長格の首謀者五番隊隊長のお淑やかで華奢な女性副官雛森桃が居る。
彼等は今も基本的に一蓮托生で特に阿散井は不器用ながら3人の心の傷のケアを請け負っている。

「2人ともぉ」

其処に桃の声が響く。
2人はすぐさま振り返る。


「雛森か…」

「ひっ雛森君…」
「平常心……そうやって一々ビビッてると雛森も遣り辛いぜ?」

吉良は護廷十三隊に入隊する前,養成学校である霊術院時代から桃の事が好きだ。
最も其の頃から優しくて男を立てるそして可愛らしい彼女はもてていて今もファンクラブが有る。
引っ込み思案なイヅルには前途多難である。

スッ___

「あの…さ,吉良君?」
「何だい…雛森さん…」

「好きなんだったらもっとオープンに付き合って欲しいな」


ピシィ…

雛森の心配りからくる言葉に何故か吉良の脳内は硝子が砕ける音がした。
其れを見た檜佐木は哀れそうな顔を浮かべる。
其の後は無言のまま3人は隊首室へ向かった。


「いやぁ,相変らず威圧感あるなこの扉」

数分の沈黙を破ったのは数年任務経験の長い先輩格の檜佐木だった。
大雑把そうに見えるが場の空気を読む能力に長けた男なのだ。
それに対して吉良も忌憚の無い意見を言う。

「権力には力の誇示が必要なんですよ先輩…」
「流魂街出身の俺には唯の上流階級の金の無駄遣いだけどな…」

「2人とも上様に聞こえたらどうなることか…」

アタフタ

2人の余りにも容赦のない権力に対する蔑みを雛森は必死で宥める。
それに対して2人は誰も聞いて居ないので大丈夫だといった風情だ。
この辺の胆力は吉良も以前より男らしくなった所だろう。


三人が扉の前でジタバタしていると門が厳かに重低音を響かせながら開いた。


その先には自分達以外の隊長格が既に居た。
山本は無言で早く定位置へならべと促す。三人はさすがに反抗でき定位置へと移動する。


「あっ,阿散井君おはよう」
「おう!」

雛森に阿散井と呼ばれた赤髪の刺青をした長身痩躯の男は小さく挨拶する。


トン…

瞬間,山本の杖の音が響く。


「各自,定位置に付いたの?では,王界の者達を交えて会議を始めるとしよう…」


山本の声が厳かに響き渡る。




                                     ∞END∞

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