二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.14 )
日時: 2010/05/30 16:33
名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)

第四話「勘違い」

「……」
私は今、奥州にいます。女中が忙しそうに私の前に朝食を運んだり、せっせと髪を結ったり、着物を着せたり……。
「美麗様、いかがなさいました? もしや体調でも……」
「奥州の冬は寒いですから、寒かったら言って下さいね」と女中達は気を使ってくれる。
「……伊達政宗様にお会いできますか……」
私は一応「捕虜」として奥州に入った。捕虜がここまでよくしてもらってよいのだろうか……。
「政宗様ですね、少々お待ちを」
そして、暫くして伊達政宗が来た。

「For something?」
「わざわざ来ていただき感謝いたします。本来ならば私が向かう立場でありますが……」
「Ah〜,そんな面倒な前置きはいい。何の用だ?」
「何故、私にここまでよくして下さるのでしょう」
「Ann? 変わったことを聴く奴だな。お前は伊達軍だぞ? 俺の為に働く奴に少し良くしてやるのは当然じゃねえか」
「……私は『捕虜』では……?」
「Ah〜? 捕虜? 誰がそんなこと言った?」
俺、捕虜とか言ったっけか? 記憶にねぇな……。
「……へ?」
私はてっきり捕虜かと……。
「あー、異国語で何言ってんのか解んなかったか? 俺は『お前が気に入ったから持って帰る』っつったんだ。『捕虜』なんて一言も言ってねぇぞ」
「……そうでしたか。ですが、敵の命を救うなど……」
「何の価値もねぇ奴ならその場で殺す。……が、お前は強かったからな。これからは伊達郡の為に働け! いいな?」
「……この紅獄城 美麗。生涯伊達政宗様のお側で戦い抜きます」
不思議と迷わなかった。『才ある者ならどんな者でも加える』彼の姿勢はきっとそんな姿勢。その姿勢に感激した。
「Ha ha〜。良い心がけだ」
「……」
そして、私は伊達軍で働くことになりました。