二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.23 )
日時: 2010/05/31 20:19
名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)

第拾話「どちらの命が重いのか」

思えば今日があの日から3年6ヶ月。この戦の勝利は貴方、白夜のものです。政宗様、申し訳ございません。
貴方の天下をこの目で見たかった……。

「はぁっ!」
先制攻撃は白夜。白夜の攻撃はかなり早い。防御するだけでも一苦労。
「美麗、今日が3年6ヶ月だからって諦めてたら承知しないよ? もっと全力で来い……」
「では、私も参ります」
銃や鞭など遠距離攻撃ができるものは卑怯。接近戦の刀にした。
「はっ、やぁっ!」
「どうした、腕がなまったのか」
「戦場で無駄口を叩くものではありません」
喋っている隙をついて、右肩に刀を通す。
「くっ!」
「貴方こそ諦めているのでは……」
あまりに弱すぎる。あの頃の白夜はこんな者ではなかった。
「美麗、戦の途中でわりぃけど……。聞いてくれるかい?」
「……」
いつになく真剣な顔の白夜だったので、黙って聞くことにした。

「俺は真田さんに拾われた。山賊に襲われまくって大変だった頃に、俺を助けてくれた」
相槌を入れるわけでもなく黙って聞く美麗。
「その日から俺は真田さんについて行くって決めた。でも、バカなのか真面目なのか解らない奴で。親方様命で。アイツはいろんな奴に支えられている」
「俺と同じ戦忍の猿飛佐助、真田さんを認めている武田信玄さん。真田さんを信用するたくさんの部下」
「真田さんは、俺がいなくなったって何も変わらない。俺がいなくなるなんて、指を紙で切ったようなもんだ。それぐらいの価値しかない」
「だが、お前は違う。独眼竜の旦那から信用されて。お前がいなくなったら独眼竜の旦那の片目がなくなるようなもんだ。お前がいなくなると、光がなくなるんだよ」
「お前は思ったより、誰からも信頼されているし愛されている」
「……」
愛なんて、身体を重ねるだけのもの……。
「俺はお前に愛を間違って教えちまった。愛は、唇重ねて、身体を重ねることだけじゃねぇ。会話して、手を取り合って、笑いあって……。それだけで十分愛だ」
「俺なんて、ゴミくらいにしか思われてない。俺とお前、どちらが消えるとなれば、当然消えるのは俺だ」

「さぁ、殺してくれ……」