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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.25 )
- 日時: 2010/05/31 20:56
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
第壱弐話「片倉小十郎」
「……」
走る、走る。一心不乱に走る。1秒でも早く政宗様の所へ向かうために。
「うっ……」
そこは、まさに地獄絵図。敵のものか味方のものか解らない死体が転がり、山になっている。この山を踏み越えなければ、政宗様の元へと向かえない。
そして、死体を蹴りながら進むと、死体の中に生きた人間が隠れていた。
「ひぃっ!! 頼む、助けてくれ!! 俺には妻もいるし、小さな子どももいるんだ!!」
「……」
そんな悲痛な叫び、私の耳には入らない。銃声が響き、生きた人間は死体の山に葬られた。
「政宗様!」
やっと主君の姿を見つけた。その背中は、しっかりと畑のおじ様が守っていた。
そこに、畑のおじ様に向かって無数の矢が射られた。その矢は、足元を狙っていた。
「おじ様危ない!!」
と言ったときには遅かった。その矢は、敵を倒したあとの隙を狙って射られたもので、流石の小十郎も避けきれなかった。
「くうっ!!」
「おじ様!」「小十郎!!」
二人はほぼ同時に発した。
「誰か、小十郎様を医師の元へ運んで下さい!」
冷静な美麗の声が指示を出す。力のある武将が2人ほどで小十郎を医師の元へ運んだ。
「政宗様」
「Ah?」
「政宗様の背中は、私がお守りします」
「Ha! 俺の背中、美麗に預けたぜ」
生きて戻ったってことは、勝ったのか……。
その真珠のように白く光る肌には赤紫の痛々しい痣ががあった。
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