二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.30 )
- 日時: 2010/06/01 20:44
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
第拾四話「最終決戦」
「くっ、うっ!」
2本の槍での容赦ない攻撃。美麗はかなり押されていた。
「あまり……」
その槍さばきが少しずつ見えてきたのか、防御できるようになった。
「調子に……」
幸村は、聞こえない様子で槍を振っていた。
「乗らない方が宜しいですよ!」
幸村の一瞬の隙をついて、美麗の刀が幸村の左わき腹を斬った。
「ぐあぁぁぁっ!!!!」
「……」
赤が似合う熱血漢のような人が、紅に染まる。
「お館様……。ご武運、を……」
最期に、苦しそうに呟いた。
「政宗様、参ります……」
そして、この足は動く。伊達政宗様の天下の為に。
「政宗様!」
「美麗か……。かっこわりぃトコ見せちまったな」
「いえ! ご無事で何よりです」
政宗様は押されていた。武器の大きさがかなり違い、今までに受けたことのない攻撃法だからだろう。
「若造……。幸村を倒したのか?」
「……」
「よかろう、幸村の仇! 2人でかかってくるがよい!!」
「……」
政宗様が武器を構える。私も武器を指輪に小刀が3つずつ付いているものに変える。両手につけるので、計15本の小刀を身につけたことになる。
「行くぞ!」
「……」
返事はしなかった。その代わりに、攻撃態勢をとる。
「It is beginning!!」
そして、二人で切りかかる。が、あの軍配のような武器で一気に吹っ飛ばされる。
「っ!」
「まだまだぁ!!」
そして、また二人で切りかかる。が、武田信玄は政宗様だけを狙ってきた。
「……!」
これでは政宗様が危ない。そう思った私は、何の躊躇いもなく政宗様の前に立った。
「ううっ!!」
「美麗!」
美麗の白い肌から血が吹き出る。
「政宗様……。私ならまだ戦えます……。さぁ、ともに天下の舞台へ……」
「ダメだ! 医者の所へ……!」
「政宗様の天下を、一番近くで見たいと願うのです……」
美麗の傷跡は、肩から骨盤にかけてまでの大けがであった。
「じじい……。俺を本気にさせたな……?」
美麗と俺の天下の為だ。速攻でカタをつける。
「はっ! 若造が。今までは本気でなかったというのか……?」
「no.今までも本気だったが、さらに本気にさせたんだよ」
「政宗様、参りましょう」
「あぁ!」
また二人で斬りかかる。政宗様は六爪流だった。
そして、暫く見事な攻防戦を繰り返す。
「last!!」
最後に、二人で武田信玄の両わき腹を斬った。ここで、伊達政宗の天下統一は成った。
「ぐああぁぁぁっ!!!!」
武田信玄が倒れるのと同時に、美麗の膝も地面へ落ちる。
「っ……」
「美麗!! いいか、しっかりしろよ!!」
美麗を抱き上げ、馬に乗せる。
「意識飛ばすんじゃねぇぞ!!」
「……」
頷き、政宗様の服をつかんでいた掌に力を込める。
「……」
一心不乱で馬を走らせた。が、政宗にも悲劇は起きた。
「ぐっ!!」
飛んできた矢が、政宗の右肩を射た。不幸にも、その矢は毒矢。
「政宗、様……」
政宗の異変に気付いた美麗が声をかける。
「喋るんじゃねぇ……。傷が開く」
「政宗様! その肩は……!?」
肩には矢が刺さったままだった。
「俺のことは心配するんじゃねぇ……」
そして、その肩を射抜いていた矢を引きぬく。
「政宗様、私はもう置いて行って下さい。貴方は天下を統一したお方……。貴方の命と私の命、どちらが大事かは明白です……」
「いいか!? 生きろ! 俺と一緒に生きるんだ!!」
「……」
政宗が力強く握っていた美麗の腕は、その力を拒むように下に落ちた。