二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Requiem-今だから伝えられる- 〜4話〜 ② ( No.23 )
日時: 2010/07/03 22:24
名前: 迅榎 ◆85KeWZMVkQ (ID: twEwwje1)



「さっきは見苦しい所を見せてしまって…すまなかったな」

「いいっていいって」


この二人にはちょっと慣れたしね。

いつもこんな感じなんだ…と言いつつ溜息を吐く、強面の人。

いつも喧嘩してるのか、二人共…大変だなぁ、この人も。


「自己紹介がまだだったな。俺は寺門大貴。サッカー部だ」

「あ、オレは苑原。苑原夕李だ」


にっと笑いながら言う寺門。

いい人だね、こいつ。

というか、サッカー部多くない?


——ガラリ


「ただいま」

「パン買ってきたぞ」


購買に行っていた、源田と咲山が帰ってきた。

さっそく机を動かし、椅子を持ってきて周りに座る。

ちなみにあたしの隣は源田と辺見。


「源田ー、パンちょっとよこせよ」

「お前はちょっとと言ってほぼ食うだろ」

「いいだろ、別に…はぐっ」

「おっ…あーあ」


佐久間が源田のパンを奪い、勝手に食べ始めた。

源田しょんぼりしすぎ…しょうがないなぁ


「ほら、俺のからあげやるよ」


箸で摘んだからあげを、パンの入っていた袋の上に置く。


「いいのか!?」

「いいって…つーか喜びすぎ」


がばりと頭をあげ、キラキラした目であたしを見つめる源田。

…なんか、かわいいかも。

見た目はワイルドなのに…これがギャップってやつ?


「じゃあオレは、佐久間の卵焼き貰うわ」

「ちょっ、やめろよ苑原!」


仕返し?として佐久間から卵焼きを奪う。

あ、おいしい…


「苑原、このからあげ旨いな!」


佐久間に感想を伝えようとした時に、源田がまたキラキラした目をこちらに向ける。


「そうか? サンキュ」


軽く笑ってそう告げると、辺見が言った。


「それ、冷凍食品じゃねーよな?」


なんで分かるのあんた…伊達にハゲてないね。


「あ、おう。一応オレが作ったけど…」

「「「「はぁ!?」」」」

「…なるほどな」


源田以外の全員が驚いた。

何…?そんなに意外なの?

源田は源田で、頷いてるし…


「なんで源田は驚かねーんだよ」

「いや、同じ料理好きの匂いがしたからな」


咲山のツッコミに、涼しい顔で答えている。

ていうか源田、料理好きなんだ…

意外…じゃないな。そんな感じはする。


「お前…料理できるんだな…」

「失礼じゃね?それ」


驚愕している佐久間にツッコミをいれ、残りの弁当を食べ終わる。

他のみんなも、同じぐらいに食べ終わっていた。


「次の授業って何?」


弁当箱を片付けながら寺門に訊くと、

驚くべき事実が返ってきた。


「サッカー部は午後の授業、免除されてるから…部活だな」


…ハァ!?

何それ!?ありなの!?


「つーことで…職員室行くぞ」


辺見が声をかけ、教室から出ていく。

ん?職員室?

部室じゃなくて?

源田に訊いてみる。


「あぁ、部室の鍵を取りに行くからな。それと新入部員のことも」


…ん?


「部室云々はわかったけど…新入部員って?」


そう言ったら、変な顔をされた。


「…お前の事だろ?」


そうか、あたし新入部員なんだった…

忘れてた。





 *
 ようやく更新出来ました;
 次はやっと部活です〜長かった…