二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【VOCALOID】×【イナズマイレブン】 ( No.136 )
- 日時: 2010/06/24 19:33
- 名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)
- 参照: 期末テスト終わったぁー!!!!!
「……答えなさい、貴方はだれ?」
黙って近づいてくる風丸に、夏未は冷静に問いかけます。
すると、風丸はゆっくり瞬きをし、口を開きました。
「私は死神。人の命の期限を、知る者です。」
「…………死神?」
静かに告げられたその答えに、夏未は眼を見開き。
「じゃあ、じゃあ、今すぐ私を殺しなさい。
……だって、そのために来たんでしょう?」
そう言って。
けれど、風丸は首を横に振りました。
「いいえ、私は貴女を殺すことはできません。
————それに、殺したくありません。」
「……そう。」
夏未は、顔を伏せました。
「——死神様って融通が利かないのね!
ならば、もう……貴方に用は無いわ。でていってちょうだい」
しかし、風丸はその場を動こうとはしません。
「本当に死にたいんですか。
————だって、貴女、約束してたじゃないですか。あの幼い子供と。」
「!!」
夏未は顔をバッとあげて。
「…………でも、もう結局無理なんでしょう!
私だって約束は破りたくない!もっとあの子と遊びたいわ!
けど、けど……」
紅い瞳から、雫がこぼれおちました。
どんどん、どんどん。
それはとどまることはなく、あふれでて。
「わかってるんでしょう、貴方は死神なんだから。私の命がもうないことぐらい。
わかってるん、でしょ……」
声を次第につまらせた、夏未の泣き声が部屋に響きます。
「……友達なんていなかったわ。
学校にも、ろくにいけなかった。生まれつき身体が弱くて。
やっとできた友達なの。あの子は……
なのに、なんでこんなことにっ————。」
「——同じですね。」
風丸が、夏未の言葉を遮りました。
————寂しそうに。
「私も貴女と同じ。孤独で、哀しい存在。」
「……?」
夏未は泣くのをやめ、風丸の顔を見ました。
「不思議です。今まで、こんなことなかったのに。こんな感情、なかったのに……。
私は、貴女と友達になりたい。
もし、この死神でよろしければ。」
風丸は少し微笑み。
それにつられたかのように、夏未の表情も、ちょっとだけ明るくなりました。
「————ええ、別に、構わないわ。
……ああ、そうだ。
ちょっと貴方に頼みごとがあるの。
“友達”に、やってほしかったこと、あったから——。」
夏未は立ち上がりました。
「市場へ、連れてって。
お願い。」
あまり風丸のほうを見ずに言う夏未。
紅くなっている顔を、見せたくないのでしょうか。
そしてその言葉を聞いた風丸は、コクンとうなずいて、また微笑みました。