二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【VOCALOID】×【イナズマイレブン】 ( No.26 )
日時: 2010/06/12 12:00
名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)

「え……?」

急におとずれた静寂に驚き、ガゼルは眼をおそるおそる開けました。

そして視界に入ってきた光景は、彼をさらに愕然とさせました。

地面も。
植物も。
蝶も、鳥も。
もちろん人間も。
雲も。
空も。

なにもかもが凍っていて、動かない街。
もしかしたら、時間まで凍ってしまったのかもしれません。

それなのに、ガゼルを見下ろす、二人の笑い声は止まりませんでした。

「ほら!これがアナタの望んでいたものなんだよ」

「アナタが望んだ世界なんだよ」

でも、二人の顔は無垢な笑顔。

「なんだってしていいのさ。
自由。ジユウ。」

「好きなモノ、創りあげちゃいなよ。」

『アリスだもの。』

アリス———。

その言葉が、ガゼルの頭の中をぐるぐると廻ります。

「なにをするかはジユウだよ。」

「だけどね、約束して。」

『アナタは、アリス。』

ガゼルがなにかを言いかけましたが。
それは、二人のケタケタという笑いにかき消されて。

顔をあげた時には、もう双子の姿はありませんでした。


そして。

「……ジ、ユウ……」

ガゼルはのろのろと、
凍った街を歩き始めました。