二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【VOCALOID】×【イナズマイレブン】 ( No.27 )
日時: 2010/06/12 18:01
名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)

こおる。コオル。氷る。凍る。

なにもかもが、凍っていきます。
ガゼルによって。

「私はアリスだから。
なにをしたって構わないんだ。
自由なんだ。
だから、だから……」

その言葉とは裏腹に。
ガゼルはなにかに怯えているように感じます。

それは、自分の罪?罪悪感?

「……違う、違う。
私はアリス。
だから、大丈夫。
ジユウ。」

ガゼルが一歩歩くたびに、凍る。
はたして、その活動は無意識なモノなのでしょうか?


そして————

何日が経ったことでしょう。

ガゼルは、完璧に“凍てつく世界”を生み出しました。

もうガゼルは動くこともなく、どこかを、見ています。
光を失った眼で、どこかを。

すると、突然声がしました。
それはありえないことなのに。

「あらららら。」

「ダメかあ。」

ガゼルは眼を見開き、声がするほうに振り向きます。

「なぜ、君たちが……」

長い時間つかってなかった“言葉”。
話し相手もいない世界で、そんなものは必要ないのですから、つかわないのは当たり前のこと。

ですから、しゃべることさえ忘れてしまったかもしれないのに、

双子への、
————恐れ。

それが、ガゼルに口を開かせました。

「創るだけじゃダメなのに。」

「また、失ってしまった。」

二人の声が混ざり合って。

『だから、罰として、この男を与えよう。

アナタが創ったセカイ。崩壊させてやろう。』

その冷たい言葉が終わると同時に、
ガゼルの体が燃え始めました。

「?!!」

現れたのは、かつてのガゼルの親友———バーン。

「なぜ、なぜ……」

バーンは、哀しげに笑いました。

「俺の親友は、お前じゃない。

“希望”をもつ、ガゼルだ。」

「え……?」

どんどん体は燃えて。
凍てつく世界が、崩壊していきます。

「ほらね、バーン君だってそう言ってるよ。」

「“希望”を失ったアリスは、アリスじゃない。」

『ただのゴミ。』

燃え尽きたガゼル——、
でも、それはなにかに変わっていきます。

「せめてもの情け。」

「綺麗な薔薇となって、
みんなに愛でられながら枯れていけ。」

『サヨウナラ。
“創造”の二番目アリス。』


双子、いや、夢の言葉は。

ガゼルに———、
薔薇に聴こえているでしょうか?