第零夜 〜終焉の序章〜 ビルが立ち並ぶ、夜の街。きらびやかな都会は、煙草、香水、高い赤ワインの匂いであふれている。時々血の匂いも混じり、近くで殴り合いが起きていることが分かる。 テレビ局の電波塔が、古い派手な色の塔をはるかに超え、天を指すように建っている。 そのてっぺんに、何者かが立っていた。立てるはずはなかったが、立っていた。太いその体の持ち主は、口を開いた。「さア! 終焉の開幕でス!」