二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.118 )
日時: 2010/07/03 09:53
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

  怒りの矛

「じゃあ次は、布告していたように、そこの二人だ」
「「え…」」

 注目がエルバとバノに向く。

「…じゃ、じゃあバノ行きなよ」
「やややや! ここはエルバだろ」
「バノ」
「エルバ」
「どっちも、と俺は言ったはずだが?」
「う…」

 エルバはバノを見る。
 バノはげっそりとしている。
 この様子から、エピトはだいぶ強いことをエルバに連想させた。

「先生」

 不意に、エピトが手を軽く挙げた。

「僕もたまには練習したいので、イノセンスを使ってもいいですか?」
「いいだろう。こいつらにとってお前のアクマは強すぎる」
「え…」

 エルバは顔をこわばらせた。

「じゃあ二人とも並べ」
「「…はい」」

 二人はしぶしぶエピトの正面に立つ。

「はじめ!」

『イノセンス解放!』
『発動さ!』
『黒騎士(ナイトメア)発動』

 エルバは左腕を発動、バノは太もものホルスターに入っていた槌を取り出し振り回す。槌は巨大化した。
 エピトは左手が盾のように、右の小指が槍のようになった。

「改造アクマって、寄生型武器を持てるの?」
「内蔵された魂のエクソシストが元寄生型なら寄生型さ。まあ形は多少変わるらしいけどな…」

 バノは脂汗が瀧のように流れていく。そんなに怖いのだろうか。
 エピトは突進してきた。武器が大型なわりにだいぶ素早い。

「わっ!?」
「うは!!」

 エピトは二人を蹴散らすと、真っ先にエルバに突きをくらわす。
 エルバは爪でなんとか防ぐと、そのまま遠くに投げ付ける。エピトはひらりと着地すると、「技」を繰り
出してきた。

『騎士ノ閃光(レイブン)』

 槍から赤い光が漏れ、槍全体を光が包み込むと、切っ先に光の球体ができた。

「発射」

 光は膨れ、光線のように発射された。反動が強いのか、エピトは少し後退する。

「いいぃ!?」

 エルバはすんでのところで後ろにのけ反り、マト〇ックスになる。
 光線は見学している生徒にも襲ってきた。が。

「満、満、満!」

 巨大な槌が、光線を打ち消した。

「エッピー。オレの事も忘れないでほしいさ」

 バノがニヤニヤしている。
 騎士ノ閃光を打ち消せることが得意げなようだ。

「終了!」

 三人はほぼ同時に発動を解いた。

「エピト…って言ってましたよね」

 エルバは少しエピトを睨んで言った。

「私に何か用でもあるか? ウォーカー」
「…攻撃が派手すぎます。生徒に当たったらどうするつもりだったんですか」

 エピトは「ふむ」と言ってから、少し考え、答えを出した。

「あの程度で死にかける人間が悪い」

 エルバは血が熱くなるのを感じていた。
 髪が逆立ち、左目が殺気立つ。

「エルバ、かまうなよ。エッピーはそんなやつさ」

 きっとこのときにバノが止めなければ、エルバは本気でエピトを殺そうとしかけたかもしれない。