二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.125 )
日時: 2010/07/05 07:02
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

  皮肉屋を愛する者

 掃除の時間。
 なぜかエルバは、神田と一緒に廊下掃除をしていた。
 理由は簡単。
 神田の班の生徒が二人も休み、人手が足りなくなったからだ。

「神田、雑巾やってよ。僕が箒やるから」
「うるせェ、てめーがやれよ。エノキの前で誰が伏せるか」

 二人とも箒を持っている。
 モップがないため、雑巾で床を服しかないが、どちらもやろうとする兆しがない。
 睨みあいをしつつも、お互いに掃除はサボらず、しっかり埃を取っている。
 …と思ったが。

「!?」

 神田がひるみ、目を反射的につぶり、せき込んだ。
 エルバが埃を神田の顔に向けて払ったのだ。

「エノキッ、テメェ!!」
「ん? どうかした? 神田」

 エルバは素知らぬ顔で掃除を再開した。
 神田も反撃をしようとした。

「このや…」

 そのときだった。

「シュッウ——————!!!!!!!」

 なにかが神田にものすごい勢いで飛びかかってきた。
 そのまま神田は吹っ飛び、廊下の10数メートルまで飛んだ。

「…」
「やっほ♪ シュウ〜、ひっさしぶりじゃーん!!」
「…誰?」

 神田をシュウと呼び、乗っているのは、ミニスカート軍服のような制服で、腰までの茶色い髪に茶色い目
の小さな少女だ。

「へへ〜、課外授業からずっと会えなかったから、寂しかったんだよ〜シュウ。シュウがいないと、あたし
どうなっちゃうか…」

 大げさだが嘘っぽく見えない涙を間欠泉のように流す少女は、ちなみに言うが、神田に乗っている。

「アリス…降りろ」
「あ、ごっめ〜ん。あたしとしたことが、シュウに馬乗りになるなんて、小悪魔♪」

 ひょいっと降りるが、本人は全く反省をしている様子がない。

「えっと…君は?」

 エルバが恐る恐る聞いた。

「お? おお? 噂の転入生くん? シュウには及ばないけど、かっわい〜」

 絶対に年下といっても誰も疑わないだろう身長なのに、アリスと呼ばれた少女はエルバを可愛いという。

「あたしは九条アリス。君らの隣のクラス。去年までずっと一緒だったのにねぇ? シューウ?」
「…俺は離れられてせいせいしてるがな…」

 その様子にエルバは思わず吹いてしまう。
 自分より身長の高い神田が、自分より背の低いアリスに態度で負けているのだ。
 面白くないわけがない。

「エノキ…後で刻むぞ」
「受けて立つよ? バ神田?」

 三人の所を一人の男子生徒が通った。

「二人とも〜、なーにしてるんさ。もう掃除終わったぜ?」
「バノ…神田が雑巾やらないんだ」
「お前がやれエノキ」

 エルバとバノを交互に見ていたアリスは、ある言葉を創作した。

「エルバとバノ。二人でエルバノ」
「「え。」」