二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.132 )
日時: 2010/07/06 17:52
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

  暗黒の神の使徒

「今日は教科書431ページを開けー」

 今は社会だ。
 前に渡された紙によると、千年伯爵とエクソシストの戦いの歴史を学ぶらしい。
 エルバは分厚い教科書を開いて、指定されたページを探した。
 そこの見出しには、『NOAH』と書いてあった。

「先生。ノアって何ですか?」

 エルバは手を挙げる。

「ま、今からやる」

 トールは英語で黒板に何か書いた。
『NOAH』の文字。

「ノアとは、自称本当の神の使徒と言っている奴らの名称だ。アクマではなく、ほんとうに人間だ。だが」

 トールはチョークの粉を散らしながら何か書いた。
『UNDERLINGS OF THOUSAND EARL』だ。

「やつらは千年伯爵の手下だ。そこが決定的に人間と違う。本来は本当に何処にでもいる人間だ。生活も人
間と変わらない。でも、ノアに覚醒すると、以前の記憶を思い出し、目的を把握する。頭に聖痕が浮かび、
肌が黒くなる。それまで気づけない」
「トール」

 不意に、誰かが手を挙げた。

「ん、アルシオンか。どうした」

 彼の名は、ユース・アルシオンと呼ぶ。
 左目に眼帯をした、白金色の髪を後ろで束ねたエメラルドの目の少年だ。

「ノアって、人間なんだろ? じゃあなんで伯爵の手下なんだ?」
「いや…くわしい理由は良くわかってない。中央庁でも考察にとどまっている」
「じゃ、考察ではどういわれてんすか〜?」

 聞いたのは如月奏。
 なぜかフランス出身で、クリーム色のポニーテールを黒いリボンでまとめた蒼い目の少女だ。

「考察としては…まあ、そうするように覚醒するんだろうな。数百年くらい前はヨーロッパの方の教団に潜
入されて、おまけにレベル4まで生まれたらしい」
「トール、それマジ?}

 バノが苦笑いした。
 ユースがまたトールに質問した。

「レベルって今んとこいくつまで?」
「レベル4までだ。それ以上は確認されてない」

 教室が多少ざわついていたが、トールが手を叩き、
治まる。

「じゃ、授業の続きをする。ノアは、いわゆるねんりきでアクマに命令を出し——」

 途中から、エルバはトールが言ったそれを覚えていない。
 ノートは書いていたが、いざ読めとなると、だいぶぐだぐだした物になっている。

「ノア…」

 授業中、トールに言った質問以外に声を出したのは、それしかないと思う。いや。

「エルバ? なんか言ったか?」

 バノに聞かれたときに、「なんでもない」と返事をしたのが最後だ。
 そのあとは、ずっとノアについて考えていた。

(人間だけど…人間を、殺すのか、な)