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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来 ( No.15 )
- 日時: 2010/06/13 22:23
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: lOah4y4E)
エルバを任意同行で取り調べした刑事たちだったが、エルバは出身、年齢、生年月日しか話さず、事件には進展がなかった。
しかたなく警察は、エルバを解放し、後々何度か取り調べをすると言った。
その夜、理沙は私服で渋谷にいた。
仕事を終わらせ、久しぶりの外食の後だった。ふいに、エルバが見つけた犯行現場を通った。通り過ぎてからしばらく経ち、戻ってきた。
理沙は思った。
(何かしら…? この感じ…)
気が付くと路地に入っていた。袋小路で止まり、しばらく酸化した血を見た。
突然、彼女の肩に誰かの手が乗った。
驚いた理沙だったが、振り返るとふっと笑みを浮かべた。
「もう、なんですか? 伊庭刑事」
理沙に手をのせたのは、伊庭と呼ばれる中年の男だった。彼は笑っていた。その姿に、理沙は疑念をもった。
「どうしたんですか? 普段は険しい顔なのに」
「…イヤ、何デモナイ」
伊庭はまだ笑っていた。理沙はゆっくりと一歩、彼に近づいた、その時——。
「理沙さん! 『それ』から離れてください!」
エルバだった。
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